大谷の技術が凝縮された今季1号 元ハム・田中幸雄氏が解説「そうできるものではない」

田中氏も外角低めのボールになる変化球を本塁打に…「ボールが見えていた」

 日本ハムで2000安打を放った田中氏も現役時代、外角低めのワンバウンドするようなスライダーを右翼席へ運んだことがあった。

「調子が悪いとバットに当たる確率は低いですよね。調子がいいときはボールがよく見えます。極端に言うと、投手の手からボールが離れた瞬間からよく見ます。悪いとぼやけたり、途中から見えたりしてくるので反応が遅くなってしまいます」。前日の二塁打まで11打席無安打と当たりが止まっていたが、長打、そして本塁打が飛び出し、徐々に状態は上がってきている。

「本人に聞かないとわからないですけどね…」と田中氏は謙遜するが、2ストライクからの判断、低めのボール球をファウルにせず、それもスタンドに放り込む技術、一瞬の反応……巧打者にしかわからない様々な要素が凝縮された本塁打だった。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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