“山陰のジャイアン”が指導者として抱く葛藤 独立Lは「夢を諦めさせる場所でもある」
独立リーグでプレーする選手たちに「僕とも年齢は近いのですが、精神的に甘いという印象」
“山陰のジャイアン”と呼ばれ甲子園を沸かせ、プロ野球ではソフトバンク、DeNAで計7年間プレーした白根尚貴氏。現在は独立リーグ四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツで野手コーチとして、NPBを目指す若手たちを指導している。
2019年から同チームで野手コーチを務めている白根氏。NPB入りを夢見る“金の卵”を指導しているがアマとプロの違いも感じているという――。Full-Countの単独インタビューでは、指導者として第2の人生を歩む“今”を伝える。(後編)
――指導者として1年が経過したが、現状をどのように感じましたか?
「NPB選手と同じ世代で、僕とも年齢は近いのですが、精神的に甘いという印象です。端的に言えば、NPB選手と同じように指導しても、練習が成り立たないという感じです。プロにそのまま行けるようなすごいものを持っているなら、ここにはいないはずです。だったら、指導者の教えを受けて実力をつけるしかないのですが、彼らはなかなかそうはいかない。自分の打ち方、捕り方、投げ方はこれだ、というプライドが強くて、それにこだわる選手が多いんです」
――実際に感じるものとは?
「僕がNPBでどんな練習をしていたかは聞きに来ます。で、すぐに同じように練習したいといいます。それがまだできないレベルなのにやろうとするんですね。“1”ができないのにいきなり“5”をやろうとする感じです。そういう子には、ふてくされても何でもいいんで、高校生に教えるようなレベルを教えないとダメなんです。不満そうな顔をしてもそう言わないと、進歩しません。昨年は1年目だったので、指導も探り探りの部分がありましたが、2年目の今年はゆとりをもって周囲を見ることができるようになったので、明確な考えをもって指導するようにしています」