打者の視界から消え去るスプリット お股ニキが選ぶメジャーの名手4人とは…
全投球の6割以上がスプリット!? 正捕手の好アシストを得たネリスに注目
【2位】ヘクター・ネリス(フィリーズ)右投
回転効率48.3% 平均球速86.23マイル(約138.8キロ) Spin Axis 2:52 1518回転
空振り率21.5% 投球割合65.36% 被打率.169 ピッチバリュー/100:1.5
昨季、投球の6割以上を得意のスプリットで占めていたのが、フィリーズの救援、ヘクター・ネリスである。4シームとピッチトンネルを構成しながらシュート回転で落下するボールを多投することで、シーズンを乗り切った。低めいっぱいに決まる正確な制球力でバットに空を斬らせ、見送られたとしても、トレード加入した正捕手、JT・リアルミュートのフレーミングの良さでストライク判定を得やすかった。
普通なら、投げた全球数に対してスプリットが65%というのは多すぎると感じるだろうが、それだけ精度が高く安定して投げられるのなら、ここまで増やしても問題ないということだろう。
2017年の第4回WBCでドミニカ共和国代表に選出され、初めて見た時から凄い投手だと思っていた。
【3位】フランキー・モンタス(アスレチックス)右投
回転効率73.2% 平均球速85.32マイル(約137.3キロ) Spin Axis 2:16 1635回転
空振り率21.3% 投球割合18.25% 被打率.160 ピッチバリュー/100:1.18
スラット型スライダーでもノミネートしたフランキー・モンタス。元々投げていたスラット型スライダーに加えて、近い球速帯でスライダーと反対側にカクッと落下するスプリットを覚えた。そのため、100マイル(約161キロ)の直球を軸として、左右にこれらを散らす「スラット・スプリット型投球」が可能となり、飛躍的な成長を遂げた。
昨シーズンは6月21日に薬物規定違反が発覚し、80試合の出場停止処分が科されるまでの約3か月で9勝2敗、防御率2.70の好成績を記録。もしフルシーズン戦えていたら、ジャスティン・バーランダー、ゲリット・コールらとサイ・ヤング賞を争っていたかもしれない。早いモーションからいきなりスプリットを投げるなど投球術も多彩で、肉体とボールのエグさは凄まじいものがある。
スプリットを覚えて飛躍したモンタスは、まさに落ちるボールの有効性を体現した投手と言えるだろう。