走攻守3拍子揃った「1番・捕手」 プロ9球団が注目の成田・古谷将也が目指す理想像
珍しい「1番・捕手」のオーダーは大会前の本人の志願で実現した
高校野球の千葉大会は5日、大谷津運動公園野球場などで2回戦が行われ、成田が12-0の6回コールドで富里を破り3回戦へ駒を進めた。高校通算25本塁打でプロ注目の成田・古谷将也主将はこの日「1番・捕手」で先発出場。4打数2安打1四球1盗塁の活躍でチームの勝利に貢献した。
初回にストレートの四球で出塁すると、すかさず二盗を決めチャンスを演出。3番・松本憲信内野手の右前適時打で先制のホームを踏んだ。打線はこの回、5番・坂本涼内野手の3ランなど打者一巡の猛攻で一挙5得点。3回、5回と安打も放ち1番打者として機能した古谷。捕手としても先発の石田慶一投手、2番手・鳳人投手を好リードし相手打線を3安打無得点に抑えるなど、9球団のスカウトが見守る初戦で上々のスタートを切った。
「古谷が先行を取ってきたので、いい形で点が取れてよかった。やはり投手は立ち上がりが一番難しい。一番いいバッターで足がある。今日は四球でしたが、それがハマった」と尾島監督。「1番・捕手」という珍しいオーダーについては「練習試合では何度か試していて、大会前に本人とも1番と4番のどっちがいいかと話した。チームに勢いつける1番がいいと言ってきたので。打順の流れ的にもそんなに悪くなかった」と経緯を明かす。
当の古谷は「1番も4番もやってきて、自分としてはどちらでもよかったんですが、4番の徳田が調子が上がってきたので、じゃあ1番でいこうと」と主将らしく他の打者の状態も考慮し判断。後攻の場合は試合の入りも慌しくなるため「なるべく先行を取りに行こうと思ってる。1番という持ち味も出せるので」と笑顔を見せた。
目指す理想像はプロでも「1番・捕手」だ。「バッティングはずっと茂木栄五郎さんを目標にしてきた。上の舞台でも先頭で安打製造機を目指したい」と語れば、守備についても「(成田の先輩で日本ハムの)田宮さんのスローイングをずっと見てきましたが、配球は古田敦也さんの考え方を理想としてます。著書もけっこう読みました」とうなずく。この先もトップバッターとして走攻守3拍子揃ったプレーでチームを牽引していく。
(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)