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日米で違う野球のルール「引き分け」 MLBは今季から史上初のタイブレーク制を導入

「引き分け」という考え方は、もともと野球にはなかったものだ。19世紀半ばにアメリカ東海岸で誕生した野球は、最後まで決着をつけるものだった。

高校野球での最長記録は1933年の中京商対明石中の延長25回

 大正期に始まった中等学校野球(のちの高校野球)は一戦必勝のトーナメント戦だったために引き分けはなく、決着がつくまで行った。1933年8月19日に甲子園で行われた中京商-明石中の対戦は0-0のまま延長戦となり、延長25回裏に1点が入って決着がついた。これが高校野球全国大会の最長記録だ。

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 1958年には徳島商の板東英二が春季四国大会で延長25回を一人で投げ切り話題となった。日本高野連はこれを問題視し、急遽「延長18回引き分け再試合」というルールを導入。板東英二はこの夏の甲子園に出たが魚津高校と延長18回引き分け再試合を演じ、新ルールの適用第1号となった。

 以後、高校野球は「延長18回引き分け再試合」となったが、1998年の甲子園で横浜の松坂大輔が延長17回を一人で投げ切ったことが問題視され、2000年から「延長15回引き分け再試合」となった。さらに2018年春からは延長13回以降「タイブレーク」となった。高校野球の公式戦での「引き分け」は原則としてなくなっている。

 プロ野球では、夜間照明がなかった戦前は、日没引き分けとなっていた。つまり日没までは何イニングでも延長戦をした。1942年5月24日の大洋軍-名古屋軍は延長28回4-4日没引き分けとなった。MLBでは1920年5月1日のブルックリン・ロビンス-アトランタ・ブレーブスの延長26回が最長だから、それを抜く世界最長試合だった。

 戦後のプロ野球では引き分けの規定が作られた。これも何度も改定を繰り返し、2019年の時点では「延長12回で決着がつかない場合は引き分け」となっていた。しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、試合数が143試合から120試合になるとともに、「延長10回で決着がつかない場合は引き分け」となった。このために今季は引き分け試合が増加している。

 新型コロナ禍は、MLBやNPBの野球も変えようとしているのだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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