中日根尾の定位置奪取へ求められるのは燕・村上流起用法? 打撃不発も好守連発
与田監督は好守連発を評価「十分ホントに力を発揮してくれたと思います」
さらに、3回2死二塁で倉本が左前打を放ち、二塁走者のソトが一気に三塁を蹴ると、根尾は本塁へワンバウンドでストライク送球。見事に本塁でタッチアウトにした。与田監督はこちらも「もともと肩が強く、コントロールも非常にいい。十分ホントに力を発揮してくれたと思います」と評した。
高卒1、2年目の打者がプロの投手のスピードや変化球のキレについていけないのは、珍しいことではなく、根尾も悲観する必要は全くない。それどころか、打つだけの選手は不振に陥れば即2軍だが、守りのうまい選手は出場機会を得やすく、根尾のように内・外野の複数ポジションをこなせるとなれば、なおさら。“本職”の打撃の開眼に、守備が一役買う可能性がある。
また、根尾より1学年上のヤクルト・村上は、セ・リーグ新人王に輝いた昨季、最下位に終わったチームにあって、36本塁打96打点でブレークする一方、セ・リーグ新記録の184三振を喫し、打率はリーグワースト(規定打席数以上)の.231。守っても15失策を犯した。監督を務めた小川淳司氏(現GM)は「もしチームが優勝争いをしていたら、あそこまで我慢できなかったかもしれない」と吐露したが、その甲斐あって村上は今季、6日現在でリーグ2位の38打点、打率.326をマークするなどさらなる成長を見せている。根尾が今季中にどれだけチャンスを与えられ、レギュラーに近づけるかは、今後のチーム成績に左右されるのかもしれない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)