コロナ禍の過密日程で“オープナー”激増? 原巨人に続いてラミレスDeNAが成功
DeNAは“ブルペンデー用捕手”として高城を起用した
前日の9日には巨人の原監督が、やはり中継ぎの宮国を先発に立てて2回を投げさせ、以後、今村、鍵谷、大江、高梨、大竹、中川、田中豊の計8人の継投で延長10回をわずか2失点に抑え、中日と引き分けたばかり。
オープナーは、米大リーグ・レイズが救援投手を1回限定で先発させて手強い上位打線を討ち取り、立ち上がりに不安を抱える先発投手を2回から投入して話題になった。この日のDeNAのようにリリーフ投手だけで小刻みに継投する「ブルペンデー」などの“派生形”がある。日本では昨年、日本ハムの栗山監督が先発投手を打者一巡をメドに交代させるなど、先駆けとなったが、今季はセ・リーグを含めて広く採用されそうだ。
今季のプロ野球は、過密日程の上、開幕前にコロナ禍で自主練習を強いられた影響で、調整不足のままシーズンを迎えた選手も多く、終盤にはスタミナ切れを起こす選手が続出するとの見方もある。となれば、先発投手が1人で試合を担えないならリリーフ投手が束になってまかなう、という発想が今季の場合は例年以上に有用かもしれない。
しかもラミレス監督は“ブルペンデー用捕手”まで用意していた。先発フル出場した高城である。ラミレス監督は「高城はリリーフ陣とバッテリーを組んだ時の防御率が1番いいから」と説明。今後、本来の先発ローテ投手が先発する試合では「高城を“リリーフ捕手”として、試合終盤に使う可能性がある」と語った。
その采配には何かと賛否両論が渦巻くラミレス監督だが、こんな異常事態のシーズンこそ、“策士”の腕の見せ所だろう。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)