3年生ではなく2年生・達を聖地で登板させたワケ 天理・中村監督が貫いた“実力主義”
公式戦最速の143キロを記録。フォーク、スライダーで1回無安打2奪三振無失点
新型コロナウイルスの影響で中止となった選抜出場予定32校による「2020年甲子園高校野球交流試合」の大会2日目が11日、甲子園球場で行われ、昨秋近畿王者の天理(奈良)は2-4で広島新庄(広島)に敗れた。身長193センチの長身右腕・達孝太投手(2年)は9回に2番手として登板、甲子園デビューを果たした。
「緊張はしませんでした。いつも通りのピッチングをすれば抑えられると思った。楽しかったです」
奈良の独自大会では3年生だけで戦った天理。達の今年、公式戦初登板は2点ビハインドの9回に訪れた。広島新庄の4番・杉井秀斗(3年)を右飛、続く野崎愛斗(3年)をフォークで見逃し三振、明光竜之介(3年)にはスライダーで空振り三振に仕留め1イニングを無安打2奪三振無失点に抑えた。
この日の最速は143キロ。練習試合では150キロをマークしたこともあったが「試合(公式戦)では今日が最速。低めの球が伸びているな」と冬から夏にかけての成長を実感した。長身から角度のある直球も魅力の一つだが、この日奪った2三振は変化球。最後は首を何度も振り「力勝負でいってもファールになったので。一番自信がある変化球で」と勝負に徹した。
今大会は勝っても負けても1試合のみ。3年生の集大成としての雰囲気も感じ取れるなか、天理は最後まで勝利にこだわった。先発し8回11安打4失点で降板した背番号「1」のエース・庭野夢叶(3年)の他にも左腕・吉岡大誓(3年)が控えていた。