3年生ではなく2年生・達を聖地で登板させたワケ 天理・中村監督が貫いた“実力主義”
中村監督も成長を実感「5月、6月ぐらいから。誰よりも早くきてやるようになった」
3年生たちには最初で最後の甲子園だったが、中村良二監督は「捕手が調子を言いに来た時に『一番調子いいのは誰だ?』と聞くと、達ですと言うので。そうか、じゃあ達でいこうと。そのときに調子のいいピッチャーを使いたいので」と達を起用した意図を説明した。
昨秋の近畿大会決勝では大阪桐蔭を相手に好投し、一躍スター候補に躍り出た。将来の夢は「トップメジャーリーガー」と大きな目標を掲げ、サイ・ヤング賞を3度獲得しているマックス・シャーザー(ナショナルズ)に憧れを抱く。
大会前にはエンゼルスの大谷翔平投手の体重移動を参考にするなど、様々な動画を見ての研究も怠らない。技術面以外でも練習ではグラウンドに一番早く姿を見せるようになったという。中村監督も「5月、6月ぐらいから。誰よりも早くきてやるようになった。いろんな意味で下級生も入って成長したかな」と目を細める。
「自信になった。来年また2回きて全国制覇、優勝したい」
無限の可能性を秘める長身右腕は甲子園で確かな足跡を残した。秋からの新チームではエースとしてチームを牽引し夢に向かって突き進んでいく。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)