大阪桐蔭V腕の早大徳山、8回1死までノーノー快投 敵将脱帽「後半は手も足も出ず…」

8回1死までノーヒットの快投を演じた早大・徳山壮磨【写真:編集部】
8回1死までノーヒットの快投を演じた早大・徳山壮磨【写真:編集部】

立大戦で1安打完封、最優秀防御率も視野「4年間で1点を切るくらいの数字を」

 大阪桐蔭でセンバツVを経験した右腕が、真夏の神宮で躍動した。東京六大学春季リーグ戦、早大の徳山壮磨投手(3年)が立大戦に先発。8回1死までノーヒットノーランの快投で1安打完封した。

 アウトを1つ取るたびに神宮が盛り上がった。徳山は序盤から最速148キロの直球に変化球をバランス良く織り交ぜながら、凡打の山を築く。5回終わって無安打。そして、6、7回も……。ノーヒットノーランの快挙が見えた8回だ。1死から代打・小澤崇之(4年)に中前打を打たれた。球場から起こるため息。しかし、本人は冷静そのもの。後続を併殺に仕留めると、そのまま115球で1安打完封で投げ切った。

「7回くらいまでノーヒットだったので、狙いたいとは思っていたけど、ゼロで抑えることが自分の役目とずっと思っていた。それが9回もゼロで抑えられたことが自分の自信になる」と徳山。「今日はストレートがなかなか走ってなくて空振り、三振が少なかったけど、そういう時こそ粘って抑えるのが投手だと思う。低めに丁寧に投げ、アウトを取ることができたので完封につながったと思う」と胸を張った。

 敵将も脱帽した。立大・溝口智成監督は「真っすぐが150キロ近く、フォークとスライダーのコンビネーション。基本はまっすぐに合わせて高めのストライクに強いスイングをしていくこと」と狙いを明かしたが、「尻上がりに良くなった。前半、少ないチャンスだけど(敵失などで)走者が出て、当たり自体は悪くなかったので1本出ていれば流れも違ったけど、後半は手も足も出なかった」と白旗を掲げた。

 一方、快投を見守っていた小宮山監督は「オープン戦は本当に酷かったんです。秋のいい投球とは別人。それをなんとか打破してほしいと思って、みんなの前ではなく、個別に話をして……。とにかく手がかからない。自分のことは必死になって一生懸命やる。こちらのアドバイスを上手くアドバイスを消化できたと思う」と明かし、「秋1以降、来年1年間、どれだけ成長できるか楽しみです」と期待を込めた。

 2試合16イニングを投げ、防御率0.00で最優秀防御率のタイトルも見えた。「ずっと目標にしている。勝利数は勝ち運も関係してくる。投手が一番見られるべきは防御率。4年間通算で1点台か、それ(1点)を切るくらいの数字を残せる投手になりたい」と徳山。隣の指揮官から「大きくでたねえ……」と突っ込まれたが「どんな形でもゼロで抑えれば負けない。そこは高く目指して頑張りたい」と意気込んだ。

(Full-Count編集部)

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