バットを避けるように曲がる横スライダー お股ニキが選ぶMLBを代表する4投手

ツインズ・前田健太【写真:AP】
ツインズ・前田健太【写真:AP】

長身揃いのメジャーで光る小柄なストローマンの横スライダー

【2位】マーカス・ストローマン(メッツ)右投
回転効率49% 平均球速84.42マイル(約135.9キロ) Spin Axis 9:12 2838回転
空振り率16.5% 投球割合30.9% 被打率.169 ピッチバリュー/100:2.28

 平均身長が190センチ近い長身揃いのメジャー投手の中では、173センチと小柄ながら高い身体能力と運動センス、理想的なフォームから多くの球種を操るマーカス・ストローマン。似たような握りやリリースで2シームやカットボールを投げ分けるが、大きくブーメランのように曲げる横スライダーも質が高い。ダルビッシュ有や大谷翔平、コーリー・クルーバー、アダム・オッタビーノらのフリスビースライダーと同系統の横スライダーであり、特に指標も高いため選出した。

 ジョニー・クエトのように足を上げてから再び降ろして投げるなど、様々なモーションでタイミングを変えながらも高い再現性の高い投球を誇っており、メッツに移籍後は割合を増やしたカットボールとの対比も素晴らしい。

【3位】前田健太(ツインズ)右投
回転効率34.1% 平均球速82.72マイル(約133.1キロ) Spin Axis 11:10 2513回転
空振り率21.8% 投球割合31.48% 被打率.155 ピッチバリュー/100:2.5

 ダルビッシュと並んでスライダーの天才の前田健太。そのスライダーは2シームのように握って人差し指で回転を与える独特なもので、リリース時の微妙な調整で縦スライダー気味にもカッター気味にも横スライダー気味にも、自在に操ることができる。「スラット理論」の完全な体現者でもある。

 昨年は縦スライダー気味のものより、時速82マイル(約132キロ)程度にややスピードを落として大きく曲げるタイプのものを、シーズン途中から多く投げていた。その結果、スライダーの指標は上がり、低い被打率(.155)と高い空振り率(21.8%)を記録した一方で、他の球種はやや悪化。先発時には打順が3巡目くらいになると捕まることが増えた印象だ。その後、少しバランスを変え、若干スラット型スライダーに戻したようにも見える。

 横スライダー気味であれ、スラット気味であれ、質が高いマエケンのスライダーだが、特に横スライダーはポップフライが多くなる傾向があり、カッター気味のものや縦スライダー気味のものと投げ分けることができたら効果的だ。その投げ分けやリリースの仕方はマエケンのYouTubeで公開されているので必見だ。私が主宰するオンラインサロン「NEOREBASE」でも解説している。

故・野村克也氏が“一流の変化球投手”と高く評価、プラス1は田中将大

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY