なぜ中日柳はプロ初3被弾した? 元コーチが指摘「足を上げた瞬間カーブだと…」
「テークバックした瞬間にカーブだと…思わず『アッ』と声が出た」
「まずは西浦の積極的かつ的確なバッティングを褒めたい。しかし、足を上げ、テークバックした瞬間にカーブだと分かった。映像で見ていて、思わず『アッ』と声が出た。初球に緩いボールを投げる時こそ、真っすぐと同じように投げるんだという意識を忘れてはいけない。ただ、あの1球だけは緩んでしまった」
この直後に柳は降板。継投した岡田俊哉投手も制球が安定せず、この回5点を奪われて試合が決まった。柳の性格やプレー姿勢を知る森脇氏は「繊細な部分まで気を配り、投球以外の部分でも非常にタフなピッチャーでもあるだけに、柳らしくない部分が出てしまった」と分析する。
柳は3年目の昨季にチーム最多の11勝を挙げ、右のエース候補に成長。今季は7月に右腹直筋の筋挫傷で出場選手登録を抹消され、およそ1か月後に1軍復帰を果たしていた。チームが今季初の4連勝と勢いに乗る中で託されたマウンドで、一発攻勢に泣いた。
前夜に3位浮上していたチームは、わずか1日でBクラスに転落。21日から本拠地のナゴヤドームに戻り、DeNAとの3連戦を迎える。中日の現状について森脇氏は「以前からバッテリーの整備が出来れば必ず優勝争いすると見ている。どのチームも課題は抱えている。ビシエド、(大島)洋平が健在で(高橋)周平、阿部が一本立ちした打線はリーグ上位だ。そこに隙のない走塁が習慣付けばもっと脅威になるだろう」と強調。加えて、4カード連続で勝ち越しと上昇気配が漂っていることも挙げ「一気呵成に攻め込む勢いと勝負所での粘りは頼もしい限り。主観になるが、成長した選手たちを見ると胸が熱くなった。勝負はここからだ。ファンの思いに応えるべく、逆襲の実現を期待したい」と話した。
(小西亮 / Ryo Konishi)