「優勝は難しい」自力V消滅の中日、専門家が指摘する首位・巨人との“差”とは?
首位巨人にあって中日にないもの「競争があるチームは強い」
ここまで、チームの盗塁数はリーグ5位の15盗塁。チーム最多は大島の7盗塁だが、大島も昨年の30盗塁に比べ、今季のペースは遅い。大島は12年に32盗塁で盗塁王を獲得し、14年から昨年まで6年連続20盗塁以上をマークしているだけに、松本氏は大島をはじめ、野手陣の足を絡めた攻撃の少なさが、得点の少なさにも影響していると指摘する。
「本塁打が打てない中で1点を取りにいくためには、どうすればいいのか。失敗してもいいので、盗塁やランエンドヒットをし、足を絡めた攻撃を増やしていかないといけない。打てないなら足を使うしかない。失敗しても、どんどん走って相手が嫌がる攻撃をしてくことが、得点にもつながるはず。大島ももっと走れないだろうか。与田監督は投手出身なので、伊東ヘッドコーチや野手出身のほかの周りのコーチたちが、もっと積極的な攻撃ができるよう、言っていかないといけない」
そして松本氏は、今季首位巨人にあって、中日にはないチームの特徴として、若手の底上げを口にする。
「巨人はこの日、7回の4点を若手だけで奪ったが、競争があるチームは強い。今は高卒の若手であっても力があれば関係ない。中日も石川昴や根尾がどんどん試合に出て、レギュラー陣を驚かす存在になり、ベテランを奮起させないといけない。(レギュラーの)高橋や平田ももっと打てるだろうし、それがチーム内での相乗効果にもつながる」
残り58試合。今季、セ・リーグではコロナ禍の影響でCSが行われないため、07年以来となる3度目の日本一に輝くためにはリーグ優勝が必要となってくる中日。11年以来9年ぶりのリーグ優勝を勝ち取るために、後半戦はどんな戦い方を見せていくのか。そのベンチワークにも注目が集まる。
(Full-Count編集部)