鷹・武田翔太が見つけた“新境地” 脆さを克服させる「中庸」とは一体なに?

昨季までは脆さのあった武田だが、今は「どれだけ気にならない、気にしないか」

 この日の武田はテーマ「中庸(ちゅうよう)」を掲げ、試合後の取材でも何度もこの言葉を繰り返した。「中庸」とは「儒教」において徳の概念を表す言葉。かたよることなく常に変わらないこと、過不足がなく調和がとれていること、などを意味する。今季の武田はこの「中庸」をテーマにプレーしているという。

 昨季までの武田といえば、ハマれば手がつけられないほどの好投を見せる一方で、ひとたび崩れ出すと歯止めがきかないことが多く見られた。崩れる時の多くはフォームに意識が向きすぎ、打者と勝負する土俵に上がれていない印象が拭えなかった。

 その武田は登板後に「今はどれだけ気にならない、気にしないか。ラインのイメージだけは出しますけど、それだけです。調子がいい時って何も考えない。フォームとか肘の痛みに意識がいった時点でもうおかしくなっている、上がっている。それも含めての“中庸“です」と語る。どこかに意識が偏ることなく、常に調和が取れている状態でいること。導き出したのが、この“中庸”だったという。

 昨年の11月半ば、右肘の遊離軟骨除去手術を受けた。6月に実戦復帰を果たしたものの、なかなか結果はついてこなかった。そこで武田は考えた。

己を見つめ直した2軍生活「そういうボールを投げさせているのは脳」

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