巨人菅野、開幕10連勝が持ち越しに 沢村賞右腕が見た「たった1球の計算外」

悔やまれるソトへの5球目…「たった1球、計算通りにいかなかった」

 川崎氏が「あの1球」と話すのは、ソトに対する5球目。カウント2-2からの内角2シームだった。

「あそこは外角スライダーか、内角2シームが考えられた場面。ただ、外角スライダーだとバットに当たってライト線に転がるヒットになったり、セカンドの頭をフワリと越えるヒットになる可能性がある。僕が菅野投手でも内角を攻めたと思います。

 ただ、菅野投手にとって、この試合で唯一計画通りに投げきれなかったのが、あの1球でした。菅野投手は先の展開を読むことができるタイプ。勝負球と結果を決めてから、流れを逆算して投球を組み立てていると思います。この日は決して絶好調ではないながらも、そこまでは上手くいっていた。たった1球、計算通りにいかなかったのが、あの球です。もう少し、ほんの少しだけストライクゾーン寄りだったら、ソト選手は空振りしていたでしょうし、判定もストライクだったでしょう」

 5球目でアウトを取れると計算していた菅野にとって、四球を与えることになった6球目は「予定外の1球ですよ」と川崎氏。さすがの菅野も対応しきれずに終わってしまった。

 もし計算通りに5球目の内角球でアウトを奪っていれば、2-1とリードしたまま、勝利投手の権利を持ってマウンドを降りているはずだった。たった1球が、その日の結果を大きく左右する。その危うさにこそ、野球の醍醐味があるのかもしれない。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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