最高の投手は「寝坊して完封した」左腕…飯田氏&川崎氏が選ぶ燕黄金期ベスト9
伊藤智仁のスライダーは「エグい」 ライバル川崎が明かす当時の複雑な想い
川崎「いや、カズも凄いですよ。トータルすればね。でも、一瞬の輝きというか、インパクトとしては伊藤智(仁)でしょう。あれ以上はないですよ」
飯田「確かに。デビューが5月くらいで、そこから夏過ぎまでに7勝してたもんね」
川崎「ほとんど負けていない。7勝2敗だったかな」
飯田「秋口に怪我しちゃってね。でも、本当にその1年は凄かった」
川崎「あのスライダー、エグいですもんね」
飯田「エグい」
川崎「先発やっていた時は、隣同士でブルペンを投げたりするじゃないですか。やっぱり凄いですよ、曲がりが。エグいですよ。普通じゃありえん曲がりをしますから。凄いなって思うんだけど、アイツ同級生なんですよね。スピードはまあまあ同じくらいで、俺はシュートで、アイツはスライダーで落ち方が違う。でも、やっぱりお互いがライバルで、お互いが自分のことを凄いと思っているわけなんですよ。負けたくないから。チーム内でライバルだったし、当時は凄くても凄いって素直に認められなかったです」
飯田「いつから認められるようになったの?」
川崎「野球が終わってから。今だから、終わっているから、素直にこう言えますけどね」
飯田「ライバルだからね」
川崎「チーム内で切磋琢磨して、お互いが上に上がっていければ一番いい。それができる相手が本当に身近にいたっていうのは、カズにしてもそうですけど、ありがたいですよね」
飯田「インパクトは伊藤智はやっぱり凄い。短期間だったら、智が断トツに上ですよ。一久は総合的に優勝も何回もしているし、開幕投手も何回もしている。野手的に安心感というか、カズが投げる日はもう『勝った』と思うわけですよ。1点、2点取ればいい。本当に楽でした」
川崎「野手目線とピッチャー目線で違いましたね」
飯田「総合的にカズということで」