異例の初回での捕手交代 DeNAラミレス監督、嶺井起用と“非情采配“の意図は?

捕手交代について問われたラミレス監督「相手に流れがいってしまったので、その流れを止めたいと思った」

 試合後、わずか1イニングでの捕手交代について問われた指揮官は「初回に4点を取られて相手に流れがいってしまったので、その流れを止めたいと思った。そこから戸柱はよくやってくれたと思う」と説明したが、嶺井に関して言及することはなかった

 坂本の後を継いだ山崎康が6回を3者凡退に抑え、その裏には一挙7得点の猛攻と、確かに試合の流れは変わった。しかし、敗色濃厚だった試合を最終的に引き分けに持ち込んだのは、無失点に抑えたリリーフ陣の頑張りと打線の奮起によるところが大きく、捕手交代によるものとは言い難いのではないか。

 ラミレス監督は常々「野球は流れのスポーツ」ということを口にする。この日の結果も「それも野球」ということかもしれないが、異例とも言える初回での捕手交代は劇薬になりかねない。

 試合展開で言えば、勝ちにも等しい引き分けと思える結果に、試合後のラミレス監督は満足そうな表情も見せた。しかし、逆に言えば奇跡的とも言える攻撃を終盤の逆転劇につなげられなかったとも言える。何より、首位を独走する巨人がこの日も順当に勝ち星を積み上げた中で、2位を争う両チームが引き分けで足踏みというのは、クライマックスシリーズが行われない今季の状況を考えると、致命的とも思える。

 この日の引き分けは本当に“価値ある”ものだったのか、通常ではない選手交代は“英断”だったのか。その答えは、今後の戦いぶりにかかることになる。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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