西武辻監督が打率.048の男にかけた訳 「スパンの足なら勝負になると踏んでいた」

辻監督は岡田の打撃を称賛「久々に岡田の粘り強さ、執念が出た」

 辻監督は「久々に岡田の粘り強さ、執念が出た」とたたえ、「岡田がしぶとく転がしてくれれば、スパンジェンバーグの足なら勝負になると踏んでいた」としてやったり。“山賊打線”の豪快な打撃だけが西武らしさではない。小技を駆使し、好投手からしぶとく1点ずつ取っていく野球は、伝統的に西武が得意とするところだ。

 西武の捕手陣は、レギュラーで昨年の首位打者の森が背中の張りを訴え、この日を含め最近7試合中4試合でスタメン落ち。代わりに、プロ7年目・31歳の岡田と、ドラフト5位ルーキーの柘植が2試合ずつ先発マスクをかぶっている。岡田は打撃でも年の功を見せた格好だ。

 そもそも、岡田に1死二、三塁のチャンスをおぜん立てした川越の送りバントについても、辻監督は「ホントに下手。練習は必死にやっているが、果たして球界で1、2を争う投手の球をバントできるのか、正直言って不安だった」と明かすのだから、指揮官も選手も大した舞台度胸である。

 続く6回には、主砲の山川がこれまた渋い中前適時打。西武は、8日時点で今季リーグ断トツの93奪三振、同2位の防御率3.01を誇る山本から2点を奪い、勝利をものにした。首位ソフトバンクに7.5ゲーム差をつけられ、5位を低迷している西武にとって、リーグ3連覇は日に日に困難になりつつあるが、相手チームにとって不気味な“引き出し”を、まだまだ隠し持っている。

【動画】辻監督が「執念が出た」と称えた西武・岡田の渾身の先制打の実際の映像

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY