打席中に変えたサインが裏目… 自力V消滅のDeNAラミレス監督が露呈した“課題”

DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】
DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

2点を追う4回1死一、二塁で投手・大貫の打席で2球目からバントに作戦を変更

■中日 3-2 DeNA(13日・横浜)

 DeNAは13日、横浜スタジアムで行われた中日戦に2-3で惜敗した。今季横浜スタジアムでは6勝0敗だった中日にカード負け越しを喫して自力優勝が消滅。11日のカード初戦に続いて同じロースコアの1点差ゲームを落としたが、今回もチームの弱点が露呈した場面があった。

 2点ビハインドの4回、DeNAは佐野の二塁打から柴田の適時打で1点を返し、なおも1死一、二塁と一打同点、逆転のチャンスを作った。ここで打者は8番に入った投手の大貫。大貫は初球を強振して空振りした後、2球目は一転してバントを試みてファウル。1球ボールの後、スリーバントした打球は捕手の前に転がり、三塁封殺で送りバント失敗となった。

 2ストライク後には、大貫が打席を外して三塁コーチに確認するなど、ドタバタするような場面もあった。バントした大貫の一塁への全力疾走もあり、ダブルプレーという最悪の事態こそ免れたが、次打者の倉本が左飛に倒れた。絶好の同点機を逃したDeNAは、5、6回もチャンスも生かせず、7回以降は中日リリーフ陣にノーヒットに抑えられた。

 試合後のリモート会見でラミレス監督は「2球目からサインを変えた。初球はインサイドのストレートが来ると思ったので、思い切り引っ張るように指示を出したが、空振りしてしまった。二塁走者が戸柱だったので、ダブルプレーの可能性もあったが、そこから手堅い作戦を選んだ」と、この大貫の場面を説明した。

 9番に打率3割を超える倉本が入っていたことで、得点圏に走者を進める役目として8番に入った投手にバントをさせることはハマったケースとも言える。だが、肝心の犠打が決められないことには、オーダーの意味がなくなってしまう。緻密さを欠く野球に機動力の欠如と、まさに今季のチームの課題が1点を争う展開での逸機の要因となった。

 異例の短期決戦となったシーズンで、46試合を残して自力優勝の可能性が消滅した。それでも、ラミレス監督は「今日でペナントレースが終わったわけではない」と前を向く。まだあと1か月半、ペナントレースは続く。残り試合での“ラミレス野球”の反抗に期待したい。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY