指名漏れからプロ入り目指すトヨタ自動車・逢澤が2安打 中日スカウト「広角に打てる」

「5番・右翼」で出場したトヨタ自動車・逢澤峻介【写真:福岡吉央】
「5番・右翼」で出場したトヨタ自動車・逢澤峻介【写真:福岡吉央】

1番タイプも5番で勝負強さアピール、都市対抗野球東海地区2次予選初戦突破

 第91回都市対抗野球大会の東海地区2次予選が16日、岡崎市民球場で行われ、今秋のドラフト候補として注目される逢澤峻介外野手(関西-明大)が初戦の東邦ガス戦に「5番・右翼」で出場。4打数2安打2打点、1四球と3度出塁し、集まったプロのスカウト陣に勝負強さをアピールした。試合はトヨタ自動車が9-2で勝利した。

 逢澤は2回1死から中前打を放つと、2-0で迎えた3回にも二死満塁のチャンスで二遊間を破る鋭い中前2点適時打。リードを4点に広げた。そして8回にも四球で出塁。5打席で3度出塁し、存在感を示した。

 走攻守三拍子揃った左投げ左打ちで、両方向に打てる1番タイプの俊足打者。これまでは1番で起用されることが多かったが、この日はクリーンアップの5番を任された。藤原航平監督は「いいところで(ヒットが)出た。彼は選球眼が良く、ボール球は振らない。センター方向中心に打っていけるのが魅力」といい、5番での起用について「いい時に回ってくる中で、勝負強さを持っていて、5番でも十分勝負強さが出せる」と、抜てきの理由を明かした。

 この日は、ドラフト1位候補として呼び声の高いエース右腕、栗林良吏投手を見ようと、スタンドには12球団30人以上のスカウトが集結。逢澤はその中でしっかりと結果を残した。球場のスピードガンが何度か誤作動を起こし、栗林の球速が176キロと表示されると「チャップマンを超えたな!」とジョークを交え、エースを激励。栗林は「チームメイトが雰囲気を明るくしてくれる。それがトヨタ自動車の強み」と、感謝の言葉を口にした。

 地元中日の米村明アマスカウトチーフは「広角に打てる打者。直球にも変化球にも対応できている」と、この日2安打を放った逢澤の打撃センスを評価。そして「プロに入ってすぐにレギュラー陣を脅かす存在になれるかどうか」と話し、即戦力の社会人選手としてどこまで期待を持てるかが、各球団が指名するかどうかの鍵になることを明かした。

 昨年の都市対抗本大会では、打率.333、出塁率.520と結果を残し、チームの準優勝に貢献した逢澤。2年前の2018年、明大ではドラフト指名から漏れたが、2年後、再び巡ってきたプロ入りのチャンス。今秋の都市対抗野球・東海地区2次予選で結果を残し続け、評価を高めれば、目標のプロ入りも現実味を帯びてくるはずだ。

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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