西武ドラ2浜屋が6回1失点でプロ初勝利 辻監督も称賛「安心して見ていられた」
浜屋は6回無四死球1失点 栗山は4打数4安打2打点
■西武 3-1 ロッテ(16日・メットライフ)
西武は16日、本拠地メットライフドームで行われたロッテ戦で、ドラフト2位ルーキーの浜屋将太投手がプロ初先発。6回4安打1失点の好投でプロ初勝利を挙げた。鹿児島・樟南高から三菱日立パワーシステムズを経て入団した21歳は、新人らしからぬ制球力で、安定感抜群の投球を披露。打線も、19年目の栗山巧外野手の先制9号ソロを含む4打数4安打2打点の活躍などで援護し、3-1で3連勝を飾った。
今季開幕1軍入りを果たした浜屋だが、当初は救援だけで4試合に登板して防御率9.35と振るわず、7月27日に2軍落ち。2軍では先発投手として調整をやり直し、この日1軍に再登録された。
ドラフト5位の捕手・柘植(つげ)と新人同士のバッテリーを組み奮闘。「打たれてもいいから力強い球を投げようと、腕を振りました」という思いが無四球につながった。ウイニングボールは両親に渡すそうで、「浜屋が出てきたら安心、といわれるくらいのピッチャーになりたい」と思いを新たにした。
一緒にお立ち台に上がった栗山が「本当にルーキーかな、と思うくらい堂々としたピッチングだった。僅差のゲームでも安心して見ていられる、不思議な感覚だった」とたたえたほどの内容だった。
辻発彦監督も試合後、浜屋を「ランナーを出しても、低めに投げる意識が良かった。大量失点はしないんじゃないかと思って、安心して見ていられた」と称賛。もっとも、指揮官が最敬礼した相手は、ベテランの栗山の方だった。13日のソフトバンク戦で自打球を当て、前日15日の試合を欠場していたとあって、「休みは与えなきゃいけないんですね。やっぱり頼りになります」とご満悦。
栗山は1回の先制ソロもさることながら、2点リードで迎えた5回1死一、三塁で、チームがダブルスチールを敢行し、三塁走者・外崎がタッチアウトとなりチャンスの芽が摘まれかけたところで放った右前適時打が、試合の流れを決定づけた。辻監督は「(作戦失敗直後のタイムリーで)私も救っていただいたし、チームも救ってもらった」と最大限の賛辞を口にした。
今季は優勝争いから遠く離されている、2年連続パ・リーグ覇者の西武。新人とベテランがかみ合い、遅ればせながら逆襲が始まるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)