「絶好調の時に使いたい」 専門家が解説する巨人阿部2軍監督の笑顔の理由
昨年までソフトバンク3軍コーチだった飯田哲也氏が送り出す気持ちを解説
■巨人 7-6 阪神(16日・東京ドーム)
巨人は16日、今季初先発の田中俊太内野手と立岡宗一郎外野手が今季初安打と初本塁打の活躍で8年ぶりとなる9連勝。虫垂炎のため入院した元木ヘッドコーチに代わり、1軍ヘッド代行としてベンチに入った阿部2軍監督を喜ばせた。“阿部ヘッド”は試合前に活躍を予言したような声出しを円陣でしていたのも、祈りにも近い、願いだったのかもしれない。
田中俊や立岡がバットで結果を出した時、満面の笑みを浮かべていた阿部2軍監督。野球解説者で昨年までソフトバンクの3軍コーチを務めていた飯田哲也氏にファームから1軍に選手を送り出す時のコーチの気持ちを解説してもらった。
「1軍の監督、コーチは勝つことが目的。2軍や3軍の監督、コーチは1軍に状態の良い選手を上げたいという思いで育てています。1軍に送ることが終わりではありません。野手だったらヒットを打つことが喜びであり、勝てばもっと嬉しい。いかにいい選手を送り出すことが仕事なんです」
送り出す時は「力を試して来い!」と言ったり、「ダメだったらもう1回やり直せばいいから思い切ってやって来い」と背中を押すという。若手以外にも、怪我した主力、1軍クラスの選手と過ごす時間も多かった。
「立岡選手らすでに1軍経験のある選手を送り出す時というのはタイミングが難しいんです。状態がいいから、上に推薦をするのですが、絶好調の時に使ってあげたい。そうでないと意味がないんです」
見事に田中俊も立岡も好調時に1軍に上がり、結果を残した。2選手が我慢強くファームで調整し、勝負強い打撃を見せたことも大きいが、阿部2軍監督が推薦したタイミングも完璧だったことも要因として挙げられる。1軍とファームの思いが一体となっているところも巨人の強さだろう。
(Full-Count編集部)