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武蔵→慶大合格→浪人 東大のブルペンを支える“メガネの変則左腕”の存在

春の王者の猛攻を赤門の変則左腕が食い止めた。東京六大学秋季リーグ戦は20日、東大が法大に1-10で敗戦。開幕2連敗となった一戦で光ったのが、3番手で2試合連続登板した小宗創投手(3年)だ。1-8の5回からマウンドに上がると、5、6回は完全投球、7回に1点を失ったが、3イニングを1安打1失点に抑えた。神宮に憧れ、浪人を経て入学した背番号18が、東大ブルペン陣を支える存在になっている。

東大・小宗創【写真:荒川祐史】
東大・小宗創【写真:荒川祐史】

東大3番手・小宗が法大のイケイケムードを断つ3回1失点の力投

 春の王者の猛攻を赤門の変則左腕が食い止めた。東京六大学秋季リーグ戦は20日、東大が法大に1-10で敗戦。開幕2連敗となった一戦で光ったのが、3番手で2試合連続登板した小宗創投手(3年)だ。1-8の5回からマウンドに上がると、5、6回は完全投球、7回に1点を失ったが、3イニングを1安打1失点に抑えた。神宮に憧れ、浪人を経て入学した背番号18が、東大ブルペン陣を支える存在になっている。

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 メガネの変則左腕が、神宮の空気を変えた。投手陣が立ち上がりから毎回失点し、回ってきた小宗の登板。5回は春の首位打者・永廣知紀を仕留めるなど、3者凡退。続く6回はプロ注目の4番・村田雄大らクリーンアップも抑え、2イニング連続完全投球。3イニング目となった7回に安打と四球でピンチを招き、犠飛で1点を失ったが、3回1失点で王者・法大のイケイケムードを断つ上々の内容だった。

「点差がついた後に攻撃陣が1点を返してくれたので、その流れを切らせたくなかった。自分たち、中継ぎで試合を作っていくしかないと思っていたので(結果は)良かった」

 何より目を引くのは、巨人の高梨雄平を彷彿とさせるような変則のサイドスロー。昨秋に痛めていた肩に負担のかからないフォームを模索し、コーチの助言もあって腕の位置を下げた。それでも球速は下がらず、最速137キロの直球にカーブ、スライダー、チェンジアップを投げ分ける。「特に左バッターに対しては効果的」と元中日の井手峻監督が言うように、背中から来るスライダーは威力を発揮している。

 神宮に憧れ、東大を目指した。小4で野球を始めると、小6から並行して受験勉強も開始。東京の私立御三家の一つ、武蔵中に合格した。そのまま進学した武蔵高では「神宮で戦うこと」を掲げたが、2年夏は16強で敗退。目標にあと一歩届かず、エースだった3年夏は初戦敗退した。それが、悔しかった。現役で慶大に合格したが、神宮でプレーする最短距離を考え、浪人を決意。1年後に見事、東大に合格した。

 入学後は浪人生活で落ちた体力を戻すのに苦労したが、1年秋にリーグ戦デビュー。この日も抑えた選手の出身校を見ても、大阪桐蔭、常総学院、横浜など、甲子園常連校ばかり。そんな名門校出身の逸材と対峙し、抑えてしまうのだから面白い。コンディション面もあり、今年は春のリーグ戦から中継ぎで起用されているが、井手監督が「本来は先発なので」と言うように、期待値の大きい次期エース候補だ。

「自分自身は与えられた場所で投げ、規定投球回にはいかなくとも防御率3点台を目指したい」と今季の目標を語った小宗。「3点台」の根拠については、チームとして「クオリティ・スタート」を先発陣が掲げており、それを考慮。「そこに中継ぎの失点がさらに加わると負けにつながってしまうので、自分は3イニングで1失点(に抑えられるように)とイメージして投げている」と目標を明確化している。

 赤門のブルペンを担う頼もしい18番。ちなみにフォームともう一つ、特徴的なオークリーのメガネの理由は「高校時代にコンタクトにしたら合わなかったから」だという。

(神原英彰 / Hideaki Kanbara)

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