来秋ドラフト候補、Honda鈴鹿154キロ右腕が躍動 中日スカウト「どう成長するか」

8回から登板したHonda鈴鹿・八木玲於【写真:福岡吉央】
8回から登板したHonda鈴鹿・八木玲於【写真:福岡吉央】

西濃運輸の反撃抑える好投、都市対抗野球本大会出場に王手

 都市対抗野球大会の東海地区2次予選が22日、岡崎市民球場で行われ、Honda鈴鹿(鈴鹿市)が第1代表決定トーナメント準決勝で西濃運輸(大垣市)に5-3で勝ち、本大会出場に王手をかけた。今回の2次予選で抑えを任されている来年のドラフト候補、ルーキーの八木玲於投手(敦賀-天理大)が自己最速タイの154キロをマークし、西濃運輸の反撃を退けた。

 2点差に追い上げられて迎えた8回だった。長打が出れば同点となる1死一、二塁のピンチで、Honda鈴鹿の丸井健太郎監督がマウンドに送り込んだのは、入社1年目のルーキーだった。この2次予選で自己最速を154キロに更新している八木は、この日も154キロをマークして自慢の直球を多投。三振、一ゴロで8回のピンチをしのぐと、9回も1死から四球を与えたが、得点圏には走者を進めず、後続を断ち切った。

 この日投げた27球のうち、実に26球が直球。西濃運輸打線は直球が来るとわかっていながらも、八木を打ち崩すことはできなかった。

「ピンチだったけど、空気を変えてやろうと思っていた。直球で勝負すると決め、思い切って腕を振った。気持ちで勝つことができました」

 天理大時代にもドラフト候補として名前は挙がっていたが、プロ志望届は提出しなかった。当時はまだ、プロで活躍する自信がなかったからだという。

「プロに行けたとしても、上位で行ける訳ではないし、当時の実力ではプロでは長くできないと思っていた。実力的に劣っているので、社会人でしっかり練習して経験を積もうと思った。大学の時はマウンドで不安になることもあったが、今回抑えを任されたことで責任感がグッと上がった。これから社会人で実力も伸ばして、いずれはプロにいきたいです」

 メンタル面での成長が一番大きいと話す八木。「普段の雰囲気は静かでふんわりしていると言われる」と言うように、グラウンド外では穏やかな好青年だ。だが、ユニフォームを着れば別人に変わり、177センチ、85キロのガッチリとした体を生かし、気迫みなぎる投球でマウンドに立ちはだかる。

中日・近藤スカウト「来季候補の大枠には入ってくる。あとは変化球も交えてどうなるか」

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