衰え知らぬ西武・中村剛也の凄さ 豪快弾と勝負強さを生み出すものとは?

複数部門で現役トップの数字を記録

 中村が長年にわたって1軍の舞台で本塁打を量産してきたのは先述の通りだが、タイトル獲得数のみならず、各種の通算成績という面でも優秀な成績を記録している。中村が現役選手の中で最多となる通算成績を記録している分野を見てみると、422本塁打、1185打点、長打率.525、1777三振といった強打者の証ともいえる指標が軒並みトップだ。また、塁打の部門においても福留孝介外野手、内川聖一外野手に次ぐ現役3位の多さで、通算3000塁打に到達している現役選手もこの3人のみ。現在NPBでプレーしている選手の中では、まさにトップクラスの実績を備えた存在といえる。

 さらに、通算422本塁打という数字は史上16位の多さであり、通算本塁打数トップ10まであと54本まで迫ってもいる。2019年に30本塁打を記録している中村にとっては、あと2~3シーズンにわたって一線でプレーすれば十二分に到達可能な数字だろう。打点王と本塁打王の獲得数では既に歴代でも最上位クラスの数字を残している中村だが、通算の本塁打数でも史上トップクラスの領域に達する日も、そう遠くはないかもしれない。

 中村はプロ入りから18年間の現役生活をライオンズ一筋で送っており、当然ながらその通算成績は全てライオンズの選手として記録したものである。中村が本塁打と打点でそれぞれ現役最多の数字を残しているのは先述した通りだが、この2つの部門における通算成績は、そのままライオンズの球団記録にもなっている。

 70年の歴史を誇るライオンズの球団史においては、西鉄時代に「野武士軍団」の一員として活躍した中西太氏や豊田泰光氏、主砲として西武黄金時代を支えた秋山幸二氏や清原和博氏といった、数多の強打者が活躍を見せてきた。そんな中で、中村は4つの部門において球団史上最多の数字を記録。現役の選手ながら、既に球団史に残るレジェンドであることは間違いないだろう。

「規定打席に到達すれば本塁打王」のジンクス

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