大量離脱のピンチをチャンスに変える ロッテ井口監督の采配に専門家が見た“気概”

ロッテ・井口資仁監督【写真:荒川祐史】
ロッテ・井口資仁監督【写真:荒川祐史】

「逆転優勝、CS、日本シリーズで勝つために新たなオプションを手にするチャンス」

■オリックス 3-0 ロッテ(6日・ZOZOマリン)

 ロッテは6日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦に0-3で敗れた。新型コロナウイルスに7選手が感染し、濃厚接触者4選手も含め、11人が登録を抹消となり、この日1軍に昇格した2選手がスタメンに名を連ねる中で、オリックスのエース山本由伸に8回まで2安打に抑えられ、完封負けを喫した。

 コロナ禍の中で敗戦を喫することとなったが、元オリックス監督でソフトバンク、巨人、中日でもコーチを務めた野球評論家の森脇浩司氏は、ロッテ井口資仁監督の采配を「肝が据わっている」と評価し「残り27試合で逆転優勝、また、CS、日本シリーズを勝つために新たなオプションを手にするチャンス」と指摘した。

 荻野、藤岡、菅野ら、ここまでスタメンを張っていた選手たちが一気に不在となったロッテ。井口監督はこの日計22人の選手を入れ替え、ルーキーの高部瑛斗外野手を「1番・左翼」で、昨年育成から支配下に登録された茶谷健太内野手を「9番・遊撃」でスタメンに起用した。6回からは茶谷に代えてルーキーの福田光輝内野手も投入。森脇氏は、この日の井口監督の采配から、気概を強く感じたという。

「ベンチの井口監督の表情を見ていて、コロナでメンバー落ちとなった中でも微動だにせず、肝が据わっているなと思った。この日のロッテは、7番田村から1番高部までがいかにいろんな方法で出塁し、2番の中村奨から6番の福田秀までの間でどれだけ点を取っていくかというオーダー。オリックスは守備にやや難のあるモヤが一塁だったので、相手の弱点を突いて、一塁にバントをして走者を出し、山本のリズムを崩して揺さぶるという選択肢もあった。でも、それをやったのは7回のマーティンが初めて。つまり、それを敢えてせず、リーグを代表する投手を相手に自分がどれだけできるか、思い切って真っ向勝負してこい、と送り出したと思う」

 チームはオリックスのエース山本に抑えられ、わずか2安打の完封負け。この日1軍に急きょ昇格し、試合で起用された3人の若手のバットからは快音は聞かれなかった。だが、森脇氏はこの敗戦の中にも、ロッテにとって収穫になるポイントがあったと見ていた。

森脇氏「監督がどういう戦い方をしたいのか、は選手にも伝わる」

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