中村紀洋氏が語る DAZN「月間最優秀バッテリー賞」パ・リーグ9月候補3組の魅力
西武・森は「グラウンドで泣けるのは、人一倍チームのことを考えている証拠」
オリックスの山本は9月には、若月とバッテリーを組んだ15日の楽天戦で8回3安打1失点に抑えるなど、5試合に先発し4勝1敗、月間防御率0.73を誇った。球界屈指の右腕だけに、もし中村氏が打席に立つとすれば、どんな対策を立てて臨むのか、想像がふくらむところだ。「僕なら、150キロを超える真っすぐだけを狙う。真っすぐをミスショットしたら、降参。変化球も多彩だが、彼ほどの投手と対戦する時には、ベストボールを狙わないと打者として情けない」と持論を展開した。
捕手の若月は、昨年23歳の若さで選手会長に就任し2年目。オリックスOBで若月と面識があるという中村氏は「チームを引っ張る立場だけに、2年連続で最下位を低迷している現状はキツイでしょう」と思いやる。伏見らと正捕手の座を激しく争う立場でもあり、「若月捕手は『打撃が課題です』と言っていたが、バッティングは経験なので、数多く打席に立てれば、彼なら2割5分は打てる。まずリードを頑張って、打席数を稼げるようになってほしい」とエールを送った。
西武の守護神・増田は、9月に10試合8セーブ、月間防御率0.90と奮闘。中村氏は「バランスの取れた理想的な投球フォーム。仮に僕が打席に立つなら、内角にはほぼ来ないと思うので、アウトコースを想定してライトスタンドを狙う。ストレート、スライダー、フォークのどれを取っても精度が高いので手ごわい」と評した。
女房役の森といえば、8月27日の日本ハム戦後の号泣が話題になった。新人の柘植が先発マスクをかぶってリードした試合を、自分の途中出場後にひっくり返され、責任を痛感していたところで、9回に山川の再逆転サヨナラ打が飛び出した。9月も打撃不振は続いたが、中村氏は「グラウンドで泣けるということは、“いい子”ですよ。捕手としてチームのことを人一倍考え、野球に没頭している証拠」と断言。静岡・浜松開誠館高の非常勤コーチを務める中村氏は、森の母校、大阪桐蔭高の西谷監督と会った際に「森はやんちゃに見せているだけで、素顔は真面目で練習熱心」と聞いたという。
「森捕手の場合は、昨年首位打者を獲得した本来の打撃を取り戻すことが先決だと思う。その方がチームにとってプラスが大きいし、打撃がよくなればリードにも好影響を及ぼす。西武がAクラス入りできるかどうかは、彼の打撃にかかっている」と見る。
3組それぞれの輝きを放つバッテリーを見ていると、球史に残るスラッガーで、最後にプロ球団のユニホームを脱いでから6年目を迎えた中村氏も腕が鳴るようだ。
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(Full-Count編集部)