セ新人王争いは広島・森下がリードか 同じ8勝も巨人・戸郷は規定投球回に未達
戸郷はリーグ連覇間近のチーム牽引、ともに残されたマウンドは3試合程度か
巨人の戸郷翔征投手が11日、敵地での中日戦で6回4安打2失点と試合を作りながらも、打線の援護なく今季5敗目を喫した。2試合連続の足踏みとなり、前夜10日に8勝目を挙げた広島の森下暢仁投手がついに勝ち星で並んだ。残り25試合ほどになる中、情勢は森下一歩リードの空気も漂う。
開幕当初から新人王レースをリードしてきたのは戸郷だった。今季初登板から3連勝を挙げると、8月には登板した全4試合で白星を挙げる躍進ぶりを見せていた。だが、9月にはいるとなかなか勝ち星に恵まれず、9月27日の中日戦(東京ドーム)で8勝目を挙げて以降足踏みとなっている。
一方の森下は、プロ2試合目の登板となった6月28日の中日戦(ナゴヤドーム)で完投一歩手前となる8回2/3を投げ9安打3失点で初勝利。8月14日の阪神戦(京セラ)ではプロ初完封もマークした。10月に入り2連勝で、戸郷を猛追してきた。両者の成績は互いに譲らず拮抗している。
○戸郷翔征
15試合8勝5敗、防御率2.76
0完封0完投、84.2回、85奪三振
○森下暢仁
15試合8勝3敗、防御率2.28
1完封1完投、98.2回、104奪三振
登板数、勝利数とも互角。一方で、森下が規定投球回に達しているのに対し、戸郷は未達。防御率や貯金の数で見ても森下が上回り、現段階では軍配が上がる。
ただ、プロ野球担当記者の投票で決まる新人王は、チーム状況などイメージに左右されることも。戸郷は、エース菅野とともに先発ローテ陣を引っ張り、リーグ連覇直近になっているチームへの貢献度は高い。一方の森下は、チームはBクラスに低迷するものの、2年目ながら権利を持つ戸郷とは違って1年目のルーキーという立場もある。
両チームとも25試合前後を残すのみ。両者ともにこのままローテを担っていけば、与えられるマウンドは3試合ほどになってくる。状況から考えて、10勝がひとつのライン。いずれにせよ、120試合の短縮シーズンとは思えないハイレベルな争いになっている。
(Full-Count編集部)