「血の法明戦」で13K初完封 「明治の11番」託されたドラ1候補・入江大生の覚悟

「1つでも多く勝たせる投球ができれば、明治の11番に相応しくなる」

 入江自身も春以降、「明治の11番として」という言葉を繰り返し、自覚を示した。

 9月19日の早大戦で打ち込まれた際には「秋のシーズンがラストなので、どれだけ身体が壊れようと、体力が底を尽きようと、チームの勝利を優先して投げろと言われれば投げるし、抑えろと言われれば抑えたい」と言った。

 翌日。3-3の同点の8回に連投救援し、抑えた際には「ここで点を取られたら『明治の11番』を返そうという、そのくらいのつもりで。1点もあげたくなかった」と言い、貪欲なまでに勝利にこだわってきた。その執念がライバルとの一戦で実を結んだ。

 今朝の必勝祈願で「今日が天下の分け目だ。今日負ければ、明日はない」と指揮官から熱いゲキを飛ばされ、入江も「絶対に負けたくなかった」と投球で呼応。ドラフト候補としての意識も「監督に『バックネット裏と戦うな』と言われているので」と集中していた。

 5試合の短期決戦で行われた春は0勝。初めてエースらしい投球で母校に勝利をたぐり寄せた。

「秋も中盤になってしまったけど、残り5試合でチームを1つでも多く勝たせるピッチングができれば、明治の11番に相応しくなるかなと思います」

 投手として才能を開花させた「明治の11番」は、紫紺の血を沸騰させながら、優勝を睨んでいる。

(神原英彰 / Hideaki Kanbara)

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