「命を落としうる」ロッテ・マーティンも経験…キューバ人の過酷すぎる亡命の実態
ポストシーズン絶好調男・レイズのアロザレナを「ESPN」が特集
レイズは12日(日本時間13日)、ペトコパークで行われたアストロズとのア・リーグ優勝決定シリーズ第2戦を4-2で制し、2連勝を飾った。「3番・左翼」でスタメン出場し、4打数2安打で勝利に貢献したランディ・アロザレナ外野手はポストシーズン絶好調で、米スポーツ専門局「ESPN」も特集。活躍ぶりに加え、キューバから亡命した背景にも触れている。
同局は「MLBでブレークしたポストシーズンのスター、ランディ・アロザレナはどこからやって来たか」との見出しで記事を掲載。彼の背景はメジャーリーグの多くのキューバ出身選手たちにとって珍しいことではない」と説明。その理由や手段について「最高レベルで野球をするために、隠れて非常に危険な旅をすること。アロザレナは夜にボートでキューバから脱出したと語っていた。キューバの最西端からメキシコのユカタン半島まで120マイル(約193キロ)ほど渡った」と言及した。
記事では「32歳のレオネス・マーティンは25歳のアロザレナよりも年上で、2人には共通点があるが、会ったことはない。マーティンは(アロザレナの)5年前となる2010年にほぼ同じ旅をした」とも。ロッテで2年目を迎え、首位争いの原動力になっている助っ人の名前を挙げ「彼はアロザレナの辿った道が恐ろしく不安であったことを実体験で分かっている」と記した。
その上で、マーティンが亡命について語ったコメントを紹介。「キャリアで4000万ドル(約42億円)稼いだことを考えると、同じ状況になったら、もちろんまたキューバから離れるけど、あのような悪夢の状況には二度となりたくない。人間が下す最悪の決断は、夢を実現するために命を危険にさらすこと」と、生死をかけた過酷な決断だと述べている。
さらにマーティンは「計画をし始めてからアメリカで落ち着いて野球ができるようになるまで、命を失ったり、実現するために懸命に取り組んできた全てを失うなど、多くのことが起こり得る。キューバで捕まれば終わり。外海では簡単に命を落とし得る。メキシコに到着しても殺されたり誘拐されたりするかもしれない。自分がどうなるのか本当に分からないんだ。今知っていること全てを知っていたら、僕がしたような形でキューバを離れることは絶対にしない」と語ったという。
死に直面する事態を乗り越え、つかんだ輝かしいアメリカンドリーム。彼らがグラウンドにかける執念は、並大抵のものではないことだけは想像に容易い。
(Full-Count編集部)