巨人高橋が終盤10月に今季初勝利 リハビリ、復活を支えた杉内俊哉の助言

2月に長女が誕生、テレビの前で応援してくれている家族がいる

 オフには内海哲也投手(現・西武)がつけていた背番号26を受け継ぎ、大きな期待をかけられていた。2月には長女が誕生し、より気持ちは引き締まった。しかし、3月のオープン戦で負傷。初勝利はもう10月になっていた。

「素晴らしい背番号をいただきながら、何ひとつ貢献できていなかった。(復帰まで)妻が野球に集中できるような環境を作ってくれました。子供もテレビの前で応援してくれている。家族にいい報告ができると思います」

 5回で降板後、6回の鍵谷、7回の高梨とリリーフ陣が僅差のリードを必死に守ってくれた。この救援陣の頑張りも見逃してはいけない勝利のポイントだ。この2人が流れを渡さなかったことで、6回、7回に2点ずつの追加点につながった。原監督からは「次も頑張ろう」とベンチで労いの言葉をかけられたという。投手陣一丸となって掴んだ勝利で、優勝マジックを9に減らした。

 初勝利にV打のおまけ付き。「外野に飛ぶ安打は高校時代以来」「ベースランニングの仕方を忘れました」と笑いながら振り返った。二塁上で一度止まりかけたが、先を見て、グラウンドを駆け、息を切らして、三塁に到達した。

 お立ち台では「ファンの方の温かい声援と拍手が嬉しかったです。マジックも減ってきているので、これからもなんとか減らせるよう一丸となって頑張っていきたいです」と気持ちを込めた。高橋がずっと見据え続けた“先へ、先へ”の思いが、実を結んだ瞬間だった。いくつもの支えがあったことを改めて実感した今季初勝利となった。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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