西武、薄氷の勝利に辻監督「ドキドキしました!」 決勝二塁打の栗山に最敬礼
1点リードの9回に守護神の増田が満塁のピンチ招くも最後は二ゴロに
■西武 2-1 オリックス(16日・メットライフ)
西武は16日、本拠地メットライフドームでオリックスに2-1で辛勝した。辻発彦監督が試合後、「逃げ切りました! ドキドキしました!」と吐露したほどドタバタの展開だった。
まずは、思わぬハプニングに見舞われた。2-1と1点リードして迎えた8回、先頭の1番・金子の打席中、スコアボードのボールカウントの表示が消えた。審判団が集まり、球場側に修正を要請。しかし、再起動のためか、今度はメーンビジョン全体が消え真っ暗になってしまった。どよめくスタンド。数分の中断後、ビジョンが消えたままで再開を余儀なくされた。
異様な雰囲気の中で、金子は四球で出塁。続く2番・源田は初球に送りバントを決め、3番・森が打席に向かう際、ようやくビジョンが全面的に復活した。球場全体からほっとため息が漏れたが、結局この回は後続が倒れ、追加点を奪えなかった。
すると9回、守護神・増田が2死から2安打1四球で満塁とされ、一打逆転のピンチを背負う。それでもなんとか、福田を二ゴロに仕留め、勝利を収めた。
終わってみれば、ベテランの一打が試合を決めた。1点ビハインドの6回、それまで完璧に封じられていたオリックス先発の山岡に対し、1死から源田が左前打で出塁し、すかさず二盗に成功。この際、二塁にヘッドスライディングし、相手野手と交錯。頭を押さえてうずくまり、トレーナーが駆けつけたほどだった。そして森が四球を選び、メヒアが空振り三振に倒れて2死となった後、プロ19年目・37歳の栗山が右中間を破る逆転2点適時二塁打を放ったのだった。
「源田の気合の入った盗塁のお陰で、こっちも盛り上がっていた」と栗山。山川、森、中村ら主軸がそろって打撃不振の中、チームトップの打率.285をマークしている栗山に、辻監督も「素晴らしい逆転打になった」と最敬礼だった。
残りわずか21試合で、首位ソフトバンクに10.5ゲーム差、クライマックスシリーズ進出圏の2位ロッテにも6.5ゲーム差の4位だが、2年連続リーグ覇者が最後の抵抗を見せる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)