鷹東浜、7回0封で自身6連勝の8勝目 みなぎる充実感「去年の今頃は不安の中で…」

右肘手術後の実戦復帰から1年、その時の不安が「今に活きている」

 6回を投げ終えた時点で球数は100球を超えていたが7回までしっかりと投げ切った。「先発はそうあるべきだと思いますし、欲を言えばもっと投げないといけない」とし「5回で降りるという試合が何試合もありましたが、ようやく体と心が少しずつ一致してきたと思います」と、シーズン終盤での手応えを口する。

 また、この日の試合の球種については「まっすぐとカーブがストライクに入らなかったし、(相手打者にとって)嫌なボールになっていなかったと思います。その中でカットボールや得意としてきたシンカーを散らしていくことで抑えられました」と冷静に分析。「そこは(甲斐)拓也と話をしているので、今年は特に拓也に引っ張られているし、助けられているなと感じます」と女房役の存在に感謝していた。

 東浜は昨年6月に右肘を手術。長いリハビリを経て、ようやく実戦復帰できたのは10月19日の「みやざきフェニックス・リーグ」のDeNA戦だった。その後、秋季キャンプ、春季キャンプで見せた復帰への懸命な思いが工藤監督に伝わり、初の開幕投手に指名された。しかし、コロナウイルスの影響で開幕は延期。それでも東浜は結果を出し続けることで“6月の開幕投手”の座を勝ち取った。

「去年に比べたらすごい充実しています。ただ去年の経験があったからこそ、今こうやって1試合1試合の勝負を楽しめていると思います。去年のちょうどこの時期、フェニックス・リーグに投げに行って『来年は大丈夫だろうか』という不安の中で過ごしていたので、そういう時期を過ごしたことが今に活きていると思います」

 同じ会見場には満塁走者一掃打の栗原陵矢がいた。それは1週間前の勝利後と同じ光景だった。「若いですけど、頼もしいですよ。本当にいいところで打ってくれますし。自主トレも一緒に行っていた仲なので、活躍してくれることはうれしいです」と、頼れる若鷹の姿に目を細めていた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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