西武平良は熾烈な新人王争いを制するか? 専門家が求める「特筆すべき数字」
ライバルは楽天・小深田「ここまでの活躍の印象は同じくらい」
一方、ライバルとなる今季ドラフト1位入団の楽天・小深田はここまで95試合に出場し、打率.280、1本塁打、22打点、15盗塁。走攻守で安定した成績を残している。新人王争いは、まさに両者一騎打ちの状況。野口氏は「投手同士、野手同士の比較ではないので、比較するのは難しいが、今年の新人王は平良か小深田のどちらかになると思う。ここまでの活躍の印象は同じくらい。2人とも新人王を獲れるだけのものを見せてくれている。ロッテの安田は4番を打っているが、(打率.224、6本塁打、48打点と)数字的に何かずば抜けたものがある訳ではない」と語る。
では、平良がタイトルを獲得するためには、残り19試合で何が必要になってくるのか。野口氏は、印象を残すことが大事だと強調する。
「平良は残り19試合の中で、何試合、勝ち試合で投げるか。もう1点も与えずに、防御率をさらに良くしていき、ホールドポイントを増やしていくことが、新人王に近づく道。投手は、毎日試合に出る野手と比べて出場機会が限られるので、強いイメージを残さないといけない。その中で野手よりも印象を残すためには、特筆すべき数字を残すことが大事になると思う」
西武では現在、増田が守護神として君臨しているが、野口氏は平良も将来的に抑えを担えるだけの逸材だと断言する。だが、守護神の座を任せられるようになるためには、年間を通しての安定感が必要になってくるという。
「今の平良は、今年の開幕の頃と比べて、直球の勢いが落ちている。疲労はどんな投手でも仕方のないことだが、ほかの投手と比べて、その差を大きく感じる。だが、投げてみないと分からない投手は安心してクローザーとして出せない。体が元気な時の球と、シーズン終盤の疲れてきた時の球の差がもっとなくなれば、クローザーも任せられる。それはスタミナをつけていけば改善される。難しいことだが、シーズンを乗り切る体力は絶対に必要」
新人王、そしてさらに先を見据えれば、クローザーのポジションも見えてくる平良。タイトル獲得のチャンスを前に、シーズン終盤の残り試合でどういった投球を見せてくれるのか。その投げっぷりに注目が集まりそうだ。
(Full-Count編集部)