中日大野雄、6度目完封で巨人菅野と熾烈な沢村賞争い 専門家が絶賛する両者の共通点
中日大野雄が10勝目をマークしシーズン10完投6完封「安定したいいピッチングだった」
■中日 1-0 DeNA(22日・ナゴヤドーム)
中日が22日、本拠地でDeNAを1-0で下した。エース左腕・大野雄大投手が6安打9奪三振の好投で、今季6度目の完封勝利。15年以来、5年ぶり4度目の2桁となる10勝目を挙げた。連続イニング無失点記録は45イニングとなり、球団記録を更新。これで、巨人・菅野との沢村賞争いもさらに白熱する。現役時代、ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜で活躍し、18年まで2年間、ヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球評論家の野口寿浩氏は「どちらも素晴らしい。甲乙つけ難く、同時受賞があってもいい」と話した。
この日も抜群の安定感だった。7回までは二塁を踏ませない投球。8回には2死から連打を許し、二、三塁のピンチを招いたが、代打・楠本を変化球で空振り三振。守護神マルティネスが不在の中、1人で9イニングを投げ抜いた。
この日の大野雄について、野口氏はこう評価する。
「今日も安定したいいピッチングだった。8回はちょっとしたコントロールミスで浮いた球もあったが、点をやらなかったのはさすが。分業制が確立されている今の野球で、完投数は見直されるべきかもしれないが、その中で10完投はすごい」
これで大野雄は今季18試合10勝5敗、防御率1.79。135回2/3、137奪三振、10完投で、タイトル争いでは防御率、奪三振でリーグトップを走っている。一方、巨人・菅野はここまで17試合13勝1敗、防御率2.02。120回1/3、113奪三振、3完投。勝ち星、勝率でリーグトップに位置する。沢村賞の選考基準は25試合、10完投、15勝、勝率6割、投球回200イニング、150奪三振、防御率2.50。だが今季はコロナ禍で143試合から120試合に減少し、日程も過密なため、基準となる数字は変わることが予想される。
17、18年にも沢村賞を獲得している菅野と、初の受賞を目指す大野雄の戦い。では、現時点でどちらが沢村賞に近いのか。野口氏は、両者の数字を比較するのは難しく、2人にチャンスがある、と予想する。過去には1966年の村山実、堀内恒夫、03年の井川慶、斉藤和巳と、2投手が受賞した年が2回あり、今季、菅野と大野が2人とも受賞すれば、3度目のこととなる。