西武スパンジェンバーグが見せる適応能力 MLBプロスペクトが日本で開花の予感

AAAにおける出場試合数は多くはないものの、その数字は常に安定

 MLBにおいてスパンジェンバーグが残した成績は上述の通りだが、NPB球団の渉外スカウトにとって大きな参考とされることが多い、球団マイナー組織のAAAにおける成績はどうだっただろうか。ここでは、スパンジェンバーグがAAAにて残した成績について見ていきたい。

スパンジェンバーグのAAAでの成績【画像:(C)PLM】
スパンジェンバーグのAAAでの成績【画像:(C)PLM】

 2014年にAAからAAAを経由することなく、飛び級でメジャーデビューを果たしたという事情もあって、AAAでの出場機会そのものが、2019年を除いてさほど多くはなかった。しかし、AAAでの各シーズンにおける成績に目を向けてみると、どのシーズンにおいても、打率、出塁率、OPSのすべてが高水準の数字となっていた。

 その中でも、113試合に出場した2019年の成績はサンプルとしての信頼性が他のシーズンに比べて高いといえそうだ。このシーズンは打率.309に加えて、43個の四球を選んで出塁率.378と、選球眼についても優れたものを見せていた。さらには、28盗塁と機動力の高さも披露しており、スパンジェンバーグ本来の持ち味をフルに発揮していたといえる。

 AAAで好成績を収めながら日本球界では活躍できなかった外国籍は少なくないが、スパンジェンバーグは前年のAAAで見せた選球眼の改善や打率の向上といった要素を、そのまま日本球界でも発揮していると言えそうだ。先ほど述べた投手のタイプの変化に加え、AAAにおける課題の改善が実を結んでいるという考え方もできるのではないだろうか。

ボール球であっても安打にしてしまう、器用さを兼ね備えたバッティング

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