昨年は巨人ドラ1の真後ろで祝福…青森山田150キロ右腕の目標は「山本由伸さん」

憧れの投手はオリックス・山本由伸とカブス・ダルビッシュ有

――2年秋からはエースナンバーを背負うも肩を痛め、外野手での出場でした。

「右腕を怪我したことがなかったので、投げられないというのを初めて経験しました。投げられない分、バッティングでピッチャーを援護したいという気持ちでした。もともとはバッティングに自信はなく、ただ好きで打っている感じでしたが、ひたすら打っていたので、どんどん感覚をつかんでいきました。肩に関しては、いろんな病院に行ったんですけど、12月に原因が分かりました。自分、肩が柔らかいんですけど、ルーズショルダーと診断されて。そこから2か月ほど、肩のインターを徹底的に鍛えました。その後は一度も痛みが出ていません」

――ボールを投げ始めたのはいつ頃からですか?

「2月からキャッチボールをはじめ、3月中旬に150キロが出ました。自分の中でも感覚がよく、新型コロナの活動自粛中もピッチングは続けていたので、ずっと感覚がいい中で投げることができていました。数字がすべてではありませんが、1つの目安にはなるのでモチベーションが上がりました」

――ピッチャーとしての売りは何だと思っていますか?

「一番、自信を持っているのは変化球です。それを武器にずっと投げてきました。スライダーは縦と横の2種類あるのですが、縦スラは高校3年になって習得したボールです。横の変化球が多かったので、落ちるボールがあるとピッチングの幅が広がると思いました。縦スラはジャイロ回転で投げることを意識しています。抜く系よりは回転をかける方が得意で、指先は器用です。折り紙とかは苦手ですけど(笑)。ボールを握っていると落ち着くので、よくボールを握っています」

――参考にしている、憧れているプロ野球選手はいますか?

「山本由伸投手(オリックス)のようなストレートを投げたいと思っています。あとは、めちゃくちゃ高い目標なんですけど、変化球が得意なので、そこまでいけたら悔いがないと思うのはダルビッシュ有投手(カブス)です。ただ、カットボールもチェンジアップもカーブもいつでもストライクを取れるボールじゃないので、磨いていきたいと思っています」

○編集後記

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、代替大会となったこの夏。東北地方では全国で唯一、県大会優勝校が集った地区レベルの大会が開催された。青森県代表で出場したのが青森山田。小牟田本人が話したように、県の代替大会ではピリッとしなかったが、東北大会では1球、1球に意図と気持ちを込めたピッチングを披露した。打力の高い鶴岡東に2本塁打を浴びるなどして1-4で敗れたが、高校野球の“卒業式”にふさわしい勝負だった。

 1-3とされた8回のマウンドに向かう小牟田を見て、「ここからすごいピッチングをしそう」とつぶやいたスカウトがいた。被弾したものの、9回はこの日唯一の3三振を奪った。真っ向勝負に、きっと、鶴岡東の選手も楽しかったのではないだろうか。

 荒々しいイメージがあったのだが、音楽は「ゆったり眠くなるような曲が好き」。お気に入りは藤井風さんの『帰ろう』だという。「声がいいんです」。好きな食べ物はフルーツや甘いもの。だが、体のことを考えて「パフェとかパンケーキとか、オフシーズンの楽しみにしています」とシーズン中は自主規制。意識の高い、今後が楽しみな選手だ。

【動画】ブルペンでわかる素材の良さ しなやかな体で投球する青森山田・小牟田の実際の投球映像

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