鷹・今宮と重なる東北の逸材…青森山田の小兵内野手、ドラフト指名を叶えるか?
兜森崇朗監督に感謝 『野球の前の野球』という言葉で成長
――中学時代は花巻シニアでプレー。中・高校の先輩には巨人・堀田賢慎投手がいます。
「中学の頃の賢慎さんはマウンド度胸がありましたが、球速はまだそんなになくて。中3の頃は125キロくらいだったと思います。賢慎さんが高校2年の秋、県大会で八戸学院光星戦に大敗(1-17)してから、室内練習場で姿を見ない時がないくらいトレーニングをしていました。それを間近で見ていたので、すごいなと思っていました。身近な人が目の前でプロ野球選手になっていく姿を見て、改めて、プロになろうという気持ちが強くなったというのはあります」
――感謝したい人は誰ですか。
「兜森崇朗監督には一番、感謝しています。青森山田には(すべてが野球に通じるという意味の)『野球の前の野球』という言葉があり、毎日、言われてきました。寮内の掃除や挨拶・礼儀など厳しかったのですが、高校野球が終わっても大切なことなので教えてもらって感謝しています。また、両親にも支えられて生きてきたので、両親にも感謝しています。帰省した時に食べる母の手料理は本当に美味しい。特に唐揚げは泊まりにくる友達にも好評です」
――どんな選手になっていきたいですか?
「自分は体が大きくありませんが、今宮選手もプロ野球の中だったら小柄な方。それでホームランを打っている姿を見ると、そんな選手になりたいなと思っています。まずは、守備が持ち味でやってきたので、守備は一番を目指してやっていきたいです」
○編集後記
進路は進学と迷ったというが、夢を追いかけてきた気持ちと向き合い、10月に入ってプロ志望届を提出。昨年の堀田の姿も刺激になった。ともにプロ志望届を出した小牟田龍宝投手は、対戦して楽しかった打者として「純平だけは、なかなか狙っても三振を取れなかった」と川原田の名前を挙げた。川原田も「小牟田のストレートは低めのボールだと思ってもそこから伸びるというか、ストライクになる。変化球の変化量やキレも他ではなかなか見たことがないくらいで、間違いなくナンバーワンピッチャー」と認める。
父親の大学時代のチームメートには、のちにプロ野球で活躍する選手が何人もいた。「お酒とかを飲んでいる時に誘っても、彼らは夜遅くまでバットを振っていた。プロ野球選手になる人はみんなと一緒のことをしない」と聞かされてきた。これといった趣味はなく、音楽も聞かなければ、テレビも見ないという。流行には「乗らないです」と笑う。外食がOKな日も「ご飯に行っている時間ももったいない」とお惣菜を買ってきて寮で食べ、すぐに練習へ。同級生も「ストイックです」と認める練習の虫。これまで積んできた豊富な練習量は実を結ぶか。