DeNAドラ1森敬斗、巨人坂本の祝福に感激「初安打おめでとうと…嬉しかった」

DeNA・森敬斗【写真:編集部】
DeNA・森敬斗【写真:編集部】

代打でプロ初打席→剛腕ビエイラの154キロに反応→左翼フェンス直撃二塁打→巨人坂本から祝福

■DeNA 9-2 巨人(27日・横浜)

 DeNAは27日、横浜スタジアムで行われた巨人戦に9-2で勝利した。14安打9得点と爆発した打線で、この日1軍に昇格したばかりのドラフト1位ルーキー・森敬斗が代打でプロ初安打を記録した。

 目の前で胴上げを見せられる可能性もある首位・巨人との3連戦で、高卒ルーキーの1軍初昇格が決まった。ファームでの成績は打率.210、2本塁打、13打点、7盗塁と特出したものではないが、高卒1年目から遊撃手として57試合に出場してスタメンでも起用されている森を、ラミレス監督は「1度、見てみたいと思っていた」と、大事な3連戦で1軍に昇格させた。

 この日も横須賀で行われたイースタン・西武戦に「9番・遊撃」で先発出場していた森だが、第1打席で凡退した後、途中交代して横浜スタジアムに向かった。指揮官は「巨人との3連戦はベンチスタートになると思うが、次の阪神戦のどこかでスタメンで使おうと思っている」としたが、1軍に合流した直後の試合で、さっそく出番が来た。

 ロペスの満塁弾などで試合を優位に進めていた8回、先頭のオースティンの本塁打で貴重な追加点を奪った後、1死後に投手の石田に代わって森が代打で起用された。相手投手はビエイラ。150キロ後半の速球が武器の本格派に「あの状況、相手でプロ初打席というのは、ちょっとかわいそうとも思った」と言うラミレス監督は、「6回に投手の大貫のところで森を出そうと思ったが、そこは神里にしたので8回になった」と、予定外の起用だったことを明かした。

 初球が156キロ、2球目は157キロと、いずれもボール球だったが、指揮官の言葉通りの剛速球だった。「打席に入るまではすごく緊張していた」と言う森だが、初めてストライクゾーンに来た3球目の154キロのストレートを振り抜いた打球は、レフトフェンスを直撃する二塁打となった。ファーストスイングでのプロ初安打を、森は「とにかくいつも通り、ファームでやっているように、結果を気にせずしっかり振れればと思った。速かったけど、絶対に打とうという気持ちでいった」と振り返った。

 初安打で達した二塁ベース上で坂本から「初ヒットおめでとう、という声をかけてもらった。嬉しかった」と祝福されて喜んだ森だが、あわや本塁打という当たりには「悔しさもあった。もう少し体重があればとか、もっとウエイトトレーニングをやっていれば、といろいろ思った」と、初打席初本塁打を逃した悔しさも口にした。

 ラミレス監督は衝撃デビューとなった一打を「最初にストライクが来たところで、しっかりスイングして結果を出したのは素晴らしい」と驚いた様子だった。タイトル争いと順位が目的になった残り10試合で、新たな楽しみとしてもうひとつ、ドラ1ルーキーの動向から目が離せなくなった。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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