光った選手起用、若手の成長… 3年ぶりVの鷹・工藤監督が大事にしたマネジメント
野手も主力のコンディション面を考慮し“日替わりDH“を採用
当然、中継ぎ陣には大きな負荷がかかることになった。ただ、極力、3日連続での登板を避けたり、リリーフの中にも、いわゆる“上がり“と言われる休養日も作った。
シーズンはこれまでに例を見ない形で進んだ。シーズン序盤は同一カード6連戦の連続。8月下旬からは3連戦×2カードの6連戦が続いた。毎週金曜日は過酷な移動ゲームに。毎日試合に出続ける野手たちにも疲労が溜まるのは当然だった。
そこで野手陣にも“日替わり指名打者“を導入。助っ人のデスパイネやグラシアル、チームにとって欠かせない中心選手の柳田悠岐や中村晃をコンディション面を日によってDHで起用した。
もちろん選手たちの頑張りがあってこその優勝だ。先発陣では千賀と石川が9勝、開幕投手を務めた東浜が8勝、ベテランの和田が7勝、そして開幕直後に離脱のあった助っ人のムーアも5勝と先発投手が軒並み白星を積み重ねた。
リリーフ陣でも勝利の方程式を担う森唯斗、モイネロ、高橋礼らに限らず、嘉弥真新也や若い泉圭輔や笠谷俊介といった若い選手も軒並み好成績を残した。チーム防御率はリーグダントツで、捕手の甲斐拓也、高谷裕亮とともに鉄壁のバッテリーを構築した。
野手陣でも開幕スタメンを奪った栗原陵矢が成長を遂げてチームの中軸に成長。シーズン終盤には周東佑京が1番打者として定着してラストスパートの原動力になった。難しいシーズンだったが、勝負の終盤戦で最大12連勝をマークするなど、仕掛けどころを熟知した戦いぶりも圧巻の一言。選手層も含めて、改めてホークスの常勝軍団たる所以を示した3年ぶりのリーグ優勝だった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)