阪神近本、2年連続盗塁王へ逃げ切りなるか? 専門家が指摘する「タイトルの近道」は
阪神OBの野口寿浩氏は「早いイニングでの盗塁企図が必要」と指摘
■阪神 9-1 中日(28日・甲子園)
阪神が28日、本拠地で9-1で中日を下し、2位とのゲームを1に縮めた。「1番・中堅」の近本光司外野手が4安打2打点1盗塁の活躍。盗塁数をリーグトップの25に伸ばした。だが、2位の巨人・増田大もこの日3盗塁を決め、22と3差に縮めており、ここにきて盗塁王争いは白熱するばかり。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜で活躍し、18年まで2年間、ヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球評論家の野口寿浩氏は「阪神は今、打線が好調で、終盤に点差が開くことがあるので、盗塁王を狙うなら、走るチャンスがなくなる前に走るべき」と指摘した。
近本がリードオフマンとして4安打1盗塁の活躍を見せた。初回、左越え打で出塁。オーバーランした際に一塁ベースを踏めず、二塁に到達することはできなかったが、1死後、マルテの打席で二盗に成功。中日・木下拓の送球はドンピシャだったが、近本の足、そしてスライディングの技術が勝った。5回、7回にも安打で出塁し、8回には2死二、三塁のチャンスで右前2点適時打。これで打率も.293まで上昇した。
野口氏はこの日の近本の打撃について「素晴らしいものを見せてくれた。シャープだし、強引さもない。申し分ない」と絶賛。盗塁に関しても「盗塁で大事なのはスタート、中間での加速、スライディングと言われるが、この日のスライディングは足が入ってセーフになった。キャンプから歩数を考えてやってきた成果が出ている」と、成長を認めた。
だが、まだ盗塁王の座は安泰ではない。この日、ライバルの巨人・増田大がDeNA戦に先発出場し、3盗塁をマーク。2年連続のタイトルを狙う近本に3差と迫った。阪神は残り10試合、巨人は残り11試合。巨人が1試合多いだけに、まだまだ数字の上積みが必要だ。