西武辻監督、大敗も逆転CSへ望み 30日からのホークス3連戦は「総力戦でいきます」
先発したニールが2回5失点で降板「どうしたんだろうね。全然ダメ」
■楽天 13-5 西武(29日・メットライフ)
奇跡的な猛追でクライマックスシリーズ(CS)進出圏の2位ロッテへ1ゲーム差に迫っている西武は29日、本拠地メットライフドームでの楽天戦に5-13で大敗。勢いに乗っているチームとは思えない展開だったが、この日はロッテもソフトバンクに衝撃的な逆転サヨナラ負けを喫したため、ゲーム差は「1」のまま。まだツキは残っている。
まさかの背信投球だ。先発のニールは1回、2番の小郷に先制4号ソロを浴び、さらに鈴木の左前適時打、渡邉佳の中犠飛で、いきなり3失点。2回も立ち直る気配はなく、小郷に2イニング連続打点となる左前適時打、島内に右翼フェンス直撃の適時二塁打を許し、2回6安打3四球5失点でマウンドを降りた。前々回登板の今月15日・日本ハム戦の2回6安打4四球5失点に並ぶ、来日後最速のKO劇だった。
来日1年目の昨年は、11連勝を含む12勝1敗で、チームのリーグ連覇に大貢献したニールだが、約3倍増の年俸2億2000万円(推定)の今季は、これで5勝8敗と思うに任せない。辻発彦監督は試合後、「どうしたんだろうね。全然ダメ。球が高めに行って、持ち味のゴロアウトが取れないし、キレもない。深刻だよ」と頭を抱えた。
3点差に詰め寄って迎えた7回、4番手で登板した國場が、9月に巨人から金銭トレードで楽天に加入したばかりの田中貴に、プロ初本塁打の2ランを浴びたのも痛恨だった。
西武にとっては、2位のロッテがこの日のソフトバンク戦で、1点リードの9回1死二、三塁から守護神・益田の暴投の間に2者生還を許し、逆転サヨナラ負けを喫したことが、せめてもの救いといえる。
30日からは、既に優勝を決めているソフトバンクをメットライフドームに迎えて3連戦。初戦は、今井が前回登板による張りが取れないことから、本来中継ぎの平井が、9月10日以来今季4試合目の先発を任されることになった。2位のロッテは楽天と対戦する。「ホークスは勢いがある。総力戦でいきます」と辻監督。決して容易な状況ではないが、奇跡を起こす資格はまだしっかり握っている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)