巨人・原監督が「ワンチーム」に込めた思い 会見で明かしたコロナ禍での戦い

丸は広島時代からひとり5連覇を達成 「誰よりも日本一に飢えている」

 エースの菅野も壇上に並んだ。フォームを変える新たな挑戦、開幕から13連勝を成し遂げた。「マウンドに上がったら、バッターを抑えるというその1つだけなので、それだけを常に考えてマウンドに上がってました。13連勝は僕だけの力じゃ達成できない。(周囲への)感謝の気持ちを常に持って投げたことがそういうふう(連勝)につながったと思います」。原監督は「大投手であってもメカニック、投げ方を変える貪欲さというのはあらゆるアスリートの人たちも教訓となるんではないか。私自身も今年の智之を見ていると勉強になった。素晴らしいアスリートの姿を見た」とそばで見てきたからこそ感じる凄さを語り、称えた。

 広島時代の3連覇から、これで5シーズン続けて優勝している丸は「僕自身も開幕からなかなか結果が出ずに個人としても苦しいシーズンでした。ただ、先ほど勇人さんが言ったようにチームメートがカバーしてくれて、助けてくれて、本当に救われた。感謝してます。ここにいる(岡本)和真が4番でチームを引っ張ってくれたのでなんとか、序盤以降は少しでもチームに貢献できるよう、毎日毎日、常々、監督がおっしゃっているようにフラットな気持ちで試合に臨みました」。練習方法の工夫、コンディションを最優先にスタッフが考えてくれていたことへの感謝が尽きなかった。

 そこで原監督の口から、驚きの一言が明かされた。「実は開幕当初、丸は骨折していたんです。完全に治りきっていない。本人は『まったく大丈夫』というが、現実はかなり辛かったと思いますね」と5月中旬の練習で右足親指の負傷は公表されていたが、完治していない骨折を我慢して、チームに合流していた。丸は「あんまり(怪我のことを)話したくないんです。自分で“やれる”と言った以上は言い訳したくない。実際、迷惑かけてしまったが、少しは取り返せればとやっていた」と静かに口を開いた。多くを語らず、今はトップの岡本と本塁打争いをするほどの活躍を見せている。

「僕は5年連続優勝してますが、まだ、日本一になったことがない。選手の誰よりも日本一に飢えています。5度目の正直じゃないですけど、気持ちを前面に出していきたいです」と力強く語った。同僚・岡本とのタイトル争いについては「僕は足元にも及ばない。しっかりと岡本さんのカバーができればいいかなと思っています」と謙遜すると、原監督からも笑い声が聞こえた。

原監督が会見を盛り上げる、岡本へ「若大将、しっかり言ってください」

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