ホークス工藤監督、CSに向けた抜かりない準備 二の矢、三の矢で日本S4連覇へ

グラシアル、周東を休ませCSは万全の体勢で挑む

 ソフトバンクの捕手陣では、甲斐が断トツの96試合で先発。これに次ぐ18試合の高谷は、古傷の左膝痛で10月12日に出場選手登録を抹消された。故障のリスクが高いポジションだけに、控え捕手の備えは急務なのだ。

 試合後、その海野の評価を問われた工藤監督は、「うーん……」としばし言葉を探し、「ベンチで見ているのと、実際にマスクをかぶるのとは違う。1軍の打者の反応を見た経験を、次に生かしてほしい」と答えた。

 海野とバッテリーを組んだ先発投手の笠谷は、5回3失点で降板。工藤監督は「いつもは回を追うごとに修正できるのだが、今日はそれができなかった」と指摘し、「試合途中に『リズムを良くしよう』とアドバイスした」と明かした。捕手が普段コンビを組んでいる甲斐であれば、バッテリー間で修正できていたのかもしれない。強肩・強打の捕手として入団した海野だが、リード面は一朝一夕にプロの一流レベルというわけには、なかなかいかないのだろう。

 打撃の成長が著しく、外野や一塁手として起用されることが多い栗原も捕手登録で、今季2度、試合途中でマスクをかぶっている。残り4試合を有効に使い、甲斐に万が一のアクシデントが起きる事態も想定しながら、態勢を整えていくことになりそうだ。

 前日には、それまで16試合連続、今季チーム最多の34試合で4番を張っていたグラシアルをベンチから外して休ませていた。

 開幕当初は故障者続出に悩まされたソフトバンク。優勝と引き換えに、ダメージを負った選手もいる。工藤監督は4年連続日本一を目指し、抜かりなく準備を進めていく。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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