藤川球児は「とてつもなかった」 元女房役が語る人間離れした軌道と右腕の本音

阪神・藤川球児【写真:荒川祐史】
阪神・藤川球児【写真:荒川祐史】

「あえて他のものに例えるとすれば」ホイール式のピッチングマシンに似ている!?

 今季限りで現役を引退する阪神・藤川球児投手が10日、本拠地・甲子園球場で行われた巨人戦の9回に登板。全12球ストレートで3者凡退に仕留めた。2003年から08年まで6年間阪神に捕手として在籍し、藤川ともバッテリーを組んだ野口寿浩氏が、“火の玉”と呼ばれた独特の軌道のストレートを捕球した感触と、藤川の人柄を示す逸話を振り返る。

 この日、マウンドで矢野監督からボールを直接受け取った藤川は、指揮官とハグ、捕手の梅野や内野陣とはグータッチを交わし、“ラスト登坂”に臨んだ。先頭の吉川尚の代打・坂本を148キロの外角速球で空振り三振、松原の代打・中島も146キロで空振り三振、重信は146キロで二飛に打ち取った。

 野口氏の阪神在籍時代は、藤川が中継ぎとして徐々に頭角を現し、やがて絶対的な守護神として君臨するに至る時期に当たる。「浮き上がってくるように見える」と相手打者を驚愕させたストレートが、最も威力を発揮した全盛期ともいえるかもしれない。

 野口氏は捕手としてヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)を渡り歩き、計21年間もプロ生活を送ったが、「あのストレートの軌道は、球児以外に見たことがない。とてつもなかった」と断言する。

「打者がストレートをことごとく空振りするのが楽しかった」

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