5年連続3割達成の広島・鈴木誠也への対策は? 元捕手が楽天を例に挙げる訳

「誠也が嫌がることを、しつこくやっていくしかない」

 相手捕手の目線で見ると「対策が見当たらない。対戦するのが嫌」と吐露する野口氏。それでもシーズンを通して対戦しなければならないとすれば、どう対処するのか。

「誠也が嫌がることを、しつこくやっていくしかない。たとえば、1試合全球内角攻めとか。まず『この人がキャッチャーの時は嫌だな』というイメージを抱かせることが先決」とシミュレーションする。

 これを実際に行ったのが、今年の楽天だという。「今年のパ・リーグは8月下旬まで、同一カード6連戦の変則日程だったが、楽天はソフトバンク・柳田、オリックス・吉田正に対し、その6試合を通じてインコース攻めを敢行した。あの徹底ぶりはすごかった」と野口氏。6連戦の終盤には内角を狙い打たれるシーンが目立ち、「結果的には“やり過ぎ”だった。6連戦の前半で内角を意識させ、後半は裏をかいて外角へも流した方が、トータルで抑えられたのではないか」と指摘するが、これくらい極端な発想でないと、球界トップレベルの打者を抑えることはできないのだろう。

「こういう、えげつない攻めをするのはパ・リーグに多く、セ・リーグでは少ない」と野口氏は言うが、鈴木誠も、長いスパンの対策を立てなければ抑えられないレベルに達しているのは確か。来季以降、他球団との駆け引きがますます楽しみになる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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