DeNA「背番号18」争奪戦は何をもたらす? 三浦新監督が“空き番”にした意図

堀内、桑田、杉内、菅野…エースナンバー「18」が定着しているのは巨人

「18」が紛れもなくエースナンバーと認識されているのは巨人だ。通算209勝の中尾碩志氏が57年限りで現役引退すると、その年にプロ1年目にして17勝を挙げ新人王を獲得した藤田元司氏(後に監督)が、たった1年で背番号を「21」から「18」に変更。翌58年に29勝、59年にも27勝を挙げて2年連続MVPに輝き、見事にエースナンバーの栄光を継承した。

 藤田氏は64年限りで現役引退し、65年と66年は1軍投手コーチとして引き続き「18」を付けた。しかし、66年に高卒ルーキーの堀内恒夫氏(後に監督)が、開幕13連勝を含む16勝2敗の鮮烈なデビュー。こちらも1年目のオフに早々と「21」から「18」に変更し、V9時代のエースに君臨した。86年から21年間は、PL学園高時代に甲子園出場5度、全国制覇2度の実績を引っ提げて入団した桑田真澄氏が付けた。07年から5年間は空き番だったが、12年にはソフトバンクからFA移籍した杉内俊哉氏(現2軍投手コーチ)の背中へ。杉内氏が18年限りで引退すると、既に6年間「19」を付けて通算76勝を挙げていた菅野が、満を持して継承したのだった。

 さて、DeNAの「横浜ナンバー」を引き継ぎ、歴史を作っていくのは誰になるのか。今年のドラフト会議で1位指名した最速153キロ右腕、明大・入江大生投手が1年目から印象的な活躍をすれば、有力候補になりそうだ。その他にも、ブレークを期待される若手投手は数多い。巨人からの人的補償の“移籍組”ではあるが、今季開幕直後は防御率でリーグトップに立つ活躍を見せた背番号59の平良拳太郎を、候補に加えてもいいかもしれない。現在の背番号のイメージが定着している中堅の中からも、「われこそは」と名乗りを上げる投手が出てこないとも限らない。

 三浦新監督ら首脳陣とフロントにしてみれば、適任者不在で「空き番」時代が長引く事態だけは、なんとしても避けたいところだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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