鷹千賀と巨人菅野のエース対決にあった差 専門家が見た明暗分けた“攻め方の違い”
千賀は7回無失点、菅野は6回4失点…第5戦先発登板の可能性も
■ソフトバンク 5-1 巨人(日本シリーズ・21日・京セラドーム)
21日に京セラドームで行われた「SMBC日本シリーズ2020」第1戦はソフトバンクが5-1で先勝した。ソフトバンク・千賀滉大、巨人・菅野智之のエースの投げ合いは7回無失点の千賀に軍配が上がった。菅野は栗原の先制2ランに泣き、6回4失点。2人の差はどこにあったのか。ロッテや巨人などで活躍した元投手、小林雅英氏は「必ずアウトを取らないといけない選手」の攻め方に違いがあったと解説する。
もしも、小林氏が仮に日本シリーズの先発マウンドに立ったとしたら……。そんな“仮想登板”のもと、まず注目したのはスタメンのラインナップだった。
「僕が対戦していくのだったら、打線の繋がりの中で打たれてはいけないと思う打者は巨人だったら吉川尚、松原、大城の3選手です。ソフトバンクだったら、栗原、牧原、甲斐。この3人を必ずアウトに取っていかないといけないと思いますね」
坂本や岡本、柳田やグラシアルではない。その前後を打つような打者だった。
「彼らを塁に出すと、得点源につながってしまう。なので、彼らで絶対にアウトを取らないといけない。坂本や丸、柳田やグラシアルを3~4打席、全部抑えるのは難しい。栗原も5番打者ではありますが、経験や実績からすれば他の打者よりか、打ち取ることができる確率は高いと考えます」
ソフトバンク先発の千賀は小林氏が警戒する3人を8打席(7打数)1安打に抑えたのに対して、菅野は栗原に3安打されたため、7打数3安打。周東、中村、柳田という1~3は見事に抑えたが、「しっかりとアウトを取らないといけない」相手に打たれ、勢いに乗せてしまった。
小林氏は「結果論になってしまいますが……」と敗戦の原因がそこだけにあるのではないことを前置きした上で、「やはり菅野が2回に打たれた栗原の2ランが大きかったですね。あそこで打ち取れていれば、巨人にとってその後の展開は変わっていたでしょう。スキをつかれてしまった」と勝負を分けたポイントに栗原の先制弾を挙げた。
菅野の投球について「ただ、あの(栗原に被弾した)場面で菅野にも意図はあったはず。それはバッテリーにしかわかりません。打った栗原が素晴らしかった。(失投は)あの一球だけでした」と投球内容は悪くなかったと分析した。菅野は6回を87球投げたところで降板。「中4日で第5戦に登板するという意図があった交代だと思います」。どの打者をマークするのか、短期決戦の難しいところでもあるが、次回の巻き返しに期待したいところだ。
(Full-Count編集部)