西武・栗山巧の凄さを徹底検証 通算2000安打へ屈強な身体に選球眼、少ない三振数

栗山巧の球種別打率【画像:パ・リーグ インサイト】
栗山巧の球種別打率【画像:パ・リーグ インサイト】

持ち味の選球眼を維持したうえで、さまざまな要素によって打撃内容も良化していた

 指標の面では出塁率と三振率が過去数年に比べて向上し、四球率やIsoDといった要素もこれまで同様の優れた数値を維持。これまで同様に持ち前の選球眼を維持しながら、今季はコンタクトの確実性やゾーン管理の質といった点に改善が見られたことが、打席内容の向上、ひいては打率や本塁打数といった、目に見える数字の増加にもつながっている。

 それに加えて、コース別の打率に表れている通り、今季は真ん中から高めの球をミスショットする確率が少なくなっていた。三振率の低下や本塁打数の増加といった、過去数年に比べて良化したポイントについても、得意なコースの多さがダイレクトに好影響をもたらした可能性は高いだろう。

 兵庫県出身の栗山は幼少期に阪神淡路大震災で被災した経験を持つこともあり、チャリティー活動にも熱心だ。東日本大震災の被災地支援や小児がんと闘う子どもたちと、その家族への支援に加え、オフには少年野球大会の「栗山巧杯」を主催。2014年には社会貢献活動に熱心な野球関係者に贈られる「ゴールデンスピリット賞」を球団史上初めて受賞するなど、プレーのみならず、人間性の面でも高い評価を受けている。

 長きにわたってライオンズに多大な貢献を続けてきた栗山は、今季の活躍であらためてその存在価値の大きさを示したといえる。節目のプロ20年目を迎える来季は、いよいよ通算2000本安打の金字塔に挑む1年になりそうだ。獅子の屋台骨を支える大ベテランの活躍からは、あらゆる意味で目が離せないことだろう。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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