「上手くならないとやられる…」 鷹・柳田、日本一の歓喜の裏で感じる“危機感”
「治るかどうか分からない不安があった」昨年の故障経験が背景に…
柳田は、今シリーズが始まる前にも「イチからレギュラーを獲りにいきたい」と同じような危機感を口にしていた。
その背景には、昨年の故障経験がある。4月の試合中に左膝裏を痛めて長期リハビリを強いられ、8月にファームで実戦復帰した際には「治るかどうか分からない不安があった」と涙を流した。改めて野球ができる喜びを実感したことで、それまでの実績をリセットし「上手くなりたい」という野球小僧の原点に立ち返ることができたのだろう。
そして栗原陵矢がブレークしたことで、来季以降の外野のポジション争いはさらに激しさを増す。上林誠知をはじめ、真砂勇介、佐藤直樹、柳町達らが虎視眈々とブレークチャンスを狙ってくるだろう。もちろん、現状での“格の違い”は誰もが認めるところだ。それでも柳田は「上手くならないとやられる」と本気で危機感を抱く。
対チームに関しても同様だ。王貞治会長が「来年は違った意味で強いジャイアンツが誕生すると思う。そのジャイアンツをやっつけて勝つというのが我々の目標になる。我々にはゴールはないんですよ」と語ったように、チームとして頂点に立ち続けるために柳田は「野球が上手くなる」ことに貪欲であり続ける。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)